エントリー数は絞っちゃダメ!ほとんどの学生が知らない就活の嘘

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2016.07.14

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2017年3月卒業・修了予定の就職活動スケジュールが6月にスタートしました。

しかし大手有名企業の採用は、6月時点で既に終了しています。採用関連事業にたずさわっている人には周知の事実として認識されていますが、多くの学生はこの事実を知りません。

学生向け採用サイトや就職情報誌では、内定を取るための秘訣がていねいに披露されています。しかし、残念ながらその多くはムダな情報です。

■学歴差別の存在を理解しなければいけない

新卒採用関連の媒体には、各社の採用意欲が高まっている記事がならびます。ところが、企業にとってもっとも大きな関心事は学歴です。特に最近は、「学力重視採用」への回帰が発生しています。

面接で見分けられない人物素養よりも、大学、成績、SPI等の検査で数値化できる学力に重きを置くのはむしろ当然の流れかも知れません。企業が学力を重視する理由は主に3つ挙げられます。

まず、有名大学の学生には、原則的に外れが少ないことが挙げられます。入社試験をやらせても高得点者は有名大学出身の学生のほうが多く、受験競争において勝ち残ったことが、実績として評価されています。

次に、企業におけるこの共通項のひとつが学閥になります。特に大手企業には学閥が存在することが多く、学閥=採用実績校となるため、採用実績校ではない学生は事前にふるいにかけられることが多くなります。

3つめが、「採用がうまくいった」という本質的な理由は、「有名大学の学生が何名採用できたか」にあります。

たとえば、みなさんが採用担当者で今年の採用の成果を上司に報告をしたとします。おそらく上司は、「どこの大学の学生が何名採用できたか」について報告を求めるはずです。

有名大学でなかったり、採用実績校ではない学生では、仮に人物的に優れていたとしても上司は評価することが難しくなります。

■ES作成に時間をかけることは時間のムダ

大学のキャリアセンター(就職課)では、採用の専門家を講師として招き、学生向けの自己分析講座を開設しています。自己分析とは、過去の経験から価値観などを整理し志向性を明確化させて、自分の強みや弱みのたな卸しをしながら、自分自身の軸を発見すること。

多くの学生の目に、自己分析は新鮮に映ることでしょう。しかし「企業の採用と学生の就活」の双方にたずさわった経験から申し上げるなら、学生が自己分析に力を注いでも、就活にはほとんど役立ちません。

むしろ、「自己分析で見つけた強み」は単なる思い込みであって、誇大妄想になりかねません。

誰もが実績として認めて数値化できるようなものでない限り、自己分析が他者と一線を画するほどのオリジナリティに溢れていることはありえません。

また、「エントリー数を絞って、1社あたりの力の入れ方を変えなさい」と指導をしている就活講座や就活本が多いですが、エントリー数を絞ることは自らの可能性を狭めることと同じです。

エントリー期間を過ぎてしまったら、二度とエントリーができません。発車してしまった電車に飛び乗ることはできないのです。

エントリー数を絞ることは選考の機会を逸することを意味します。就活において受験する企業数をある程度確保することは大切です。志望したい企業には、片っ端からエントリーをしなくてはいけません。

そのため、エントリー段階で必要とされる、エントリーシート(以下、ES)は業界別に数種類を用意してください。

昨年、ESを手書きにするかPCで作成するかが話題になったことがあります。基本は企業名を変えるだけで使用可能なコピペのESで充分です。

ただしコピペは、一から丹念におこなってください。コピペミスは決定的なダメージとなって跳ね返ってくるからです。また間違っても自筆では書かないことです。効率性を重視してPCで作成してください。

■就職活動で自己分析をするのは愚の骨頂!

先ほど、自己分析が時間のムダであることを申し上げました。自己分析の最大の問題点は「自分は何者かを探し求める」あまりに、自分を勝手に型にはめてしまうことにあります。

事業で成功して社会的に地位のある人でも、自己分析ができていない人はいます。自分の軸がブレている人もたくさんいます。それ自体が悪いことではありません。

軸を持たずに、自分のやりたいことを目まぐるしく変化させるのは、好奇心が強く柔軟性があるためです。決してマイナスではありません。

また就活の結果で、その後の人生が決まるわけではありません。就活に人生の大切な時間をかけるよりも、他にやるべき大切なことを見つけて時間を費やすほうが、はるかに意義があると思いませんか。

(文/コラムニスト・尾藤克之)

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