仕事とプライベートのバランスをとるのって難しいですよね。「残業ばかりでなかなか自分の時間をとれない」という人も少なくないでしょう。
そんな悩みを解消するために欠かせないのが、「段取り術」。
転職サービス『DODA(デューダ)』が20~49才のビジネスパーソン1,000人に「ビジネスシーンにおいて必要だと思う知識・スキル」を調査したところ、女性の38%が「段取り力・タイムマネジメント力」と答えました。
特に女性は家事や育児と仕事の両立が課題となるため、うまく段取りをして効率的に仕事をこなしたいと考える人が多いのでしょう。
そこでご紹介したいのが『能力以上の成果を引き出す本物の仕分け術』(鈴木進介著、青春出版社)。これは、仕事や人間関係、お金などの問題を仕分けして、頭の中をシンプルにするという思考法について書かれたものです。
今回は本書の中から「仕事の仕分け」を取り上げます。
仕事を仕分けすることによって無駄のない段取りができ、効率的かつ圧倒的な成果を生み出すことができるといいます。それではさっそく見ていきましょう。
■1:日々の業務は項目を小さくしてから始める
漠然とした問題を仕分けていくと、具体的な課題へと落とし込むことができます。それによって「今、何をすべきか」が見えてくるのです。これはスティーブ・ジョブズやドラッカーも重要視していた考え方。
シンプルライフやミニマリストが流行しているように、頭の中も「大切なものが1つだけ」の状態になっているのが理想だといいます。他に選択肢がなければ決断がブレることもなく、すぐに行動を起こすことができるからです。
日常の業務も、大きな目標から気軽に取りかかれるレベルまで項目を小さくしていくことで、今何をすべきかが見えてくるはずです。
■2:「やること」ではなく「やらないこと」を決める
抱えている業務が多いときは、時間軸を「今」に限定して、今集中するべきもの以外は「いったん捨てる(保留)」か「捨てる」という選択をしましょう。
例えば、上司への報告を「今、一番に行う」と決めたら、提案書の作成はいったん捨てて明日午前中に行うなど、「今」か「今ではない」かという目線で仕分けていきます。そうすると、今やるべきことがシンプルに見えてくるでしょう。
そのように決めたスケジュールは必ず手帳やGoogleカレンダーなどで管理することが大切。
ToDoリストを使う人もいますが、時間が意識しづらいので、カレンダーで一元管理するのがおすすめだそう。「いつから行うのか」「どのくらいの期間で行うのか」「いつまでに行うのか」の3点を切り口に入力しましょう。
■3:ルーティーンは自動的に行えるように習慣化する
「やらなければいけないけれど面倒」と感じる業務は、ルーティーン化して省力化します。機械的に業務に取り掛かることで心理的な負担も減らすことができます。
「毎日やること」「毎週やること」「毎月やること」に仕分けしたものをリストにして持ち歩いたり、Googleカレンダーに入力したりしましょう。
■4:1日は4つの時間帯に仕分けてタスクを入れる
1日を、朝・午前中・午後・17時以降の4つに仕分けてそれぞれの時間帯に最適なタスクを入れます。
例えば「企画書作成は17時以降」など、今までの自分の経験から「この時間にはこのタスクが向いている」というものを当てはめていきましょう。
■5:1時間ではなく15分単位で業務を区切って管理する
業務の効率を上げるには、時間を15分単位で区切るのがコツ。
1時間単位で区切っている人が多いですが、このやり方では、実際はもっと短い時間で終わる仕事をダラダラ行ってしまう危険があります。
■6:余ったタスクは金曜夜ではなく「水曜夜」に解消する
できなかったタスクが出てしまった場合は、水曜日の夜を使って解消させましょう。
金曜日に1週間分のだぶついた仕事を片付けようとすると、時間が足りない場合があります。
月・火・水にできなかった分は水曜に、木・金にできなかった分は土日で解消と考える方が効率的です。
■7:寝る前に「翌日の重要業務ベスト3」を仕分ける
就寝前に翌日の段取りをすることでイメージトレーニングになり、翌朝バタバタすることが避けられます。Googleカレンダーをチェックして、明日行う重要業務ベスト3を仕分け、メモ帳に書き出しましょう。
手で書くことにより、「明日はこの3つを片付ける」と意識することができます。できれば成果や目的、ゴールは何かもメモに加えられるとより集中できるでしょう。
■8:月2回ジブン会議を行って頭の中を仕分ける
また、定期的に自分だけの会議の時間を強制的にとりましょう。これで頭の中を仕分けることができます。
今取り掛かっている仕事の段取りから、長期的な目標まで重要な項目を確認していきます。おすすめは月に2回、計1時間程度。日曜か月曜の朝に行うこと。他の用事を入れないようGoogleカレンダーに入力しておきます。
■9:段取りはゆるめに設定して失敗したら軌道修正する
100%完璧な段取りをして、絶対に成功させようと考えるのは逆効果。計画が崩れたときにモチベーションが下がってしまう恐れがあるからです。仕事はやってみないとわからないことが多いもの。
「段取りはたたき台」と考えて、行動しながら調整していきましょう。「失敗したら軌道修正すればいい」というスタンスでPDCAのサイクルをガンガン回していく人が成果を生み出すことができるのです。
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具体的な方法ばかりなので、明日からでもすぐに取り組めそうですよね。特に著者がおすすめしている「ジブン会議」のより詳しい方法は本書を参照してみてください。頭の中をスッキリさせて仕事もプライベートも充実させていきましょう!
(文/平野鞠)
【参考】