ご飯は通常の半分ならOK!緩やかな糖質制限「ロカボ」の考え方

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2016.08.06

suzie.20160806

『緩やかな糖質制限 ロカボで食べるとやせていく』(山田悟著、幻冬舎)は、無理なく自然にやせられるダイエットとして話題を呼んでいるロカボの実践書。

著者は、北里研究所病院の糖尿病センター長。

『ロカボバイブル』『糖質制限の真実』などのヒット作も持つ、ロカボの第一人者です。

ロカボが普通の糖質制限と異なるのは、“穏やかな”糖質制限であること。

「一食あたりの糖質量を20~40グラムに抑え、それとは別に間食として1日10グラムまでのスイーツも食べ、1日の糖質摂取量をトータルで70~130グラムにしましょう」というような考え方なのだそうです。

■糖質の数字をある程度は意識すべき

まず、現在の日本人が平均的に摂っている糖質は、一食あたり平均90~100グラム、1日では270~300グラム程度。

しかしロカボ食だと、普通の食事の半分弱になるまで、糖質を抑えるという感覚になるといいます。

そこでロカボを行うときは、この数字をある程度は意識すべき。

とはいえ毎食、厳密に数値を守らなければいけないというわけではないとも著者は説明します。

多少オーバーしたとしても、それでダイエットが台なしになるということではないのです。

■糖質の摂取量に下限を決めるべし!

ちなみにロカボが普通の糖質制限と違うのは、糖質の摂取量に下限を決めていること。糖質を完全に抜いてしまうのではなく、毎食、ある程度は食べてほしいというのです。

ここが、“穏やかな”という表現の裏づけかもしれません。

逆によくないのが、下限を決めない極端な糖質制限を行ってしまうこと。そうした場合、血糖値こそ低くなるものの、飢餓状態に入ったと認識した体が安全弁的な機能を働かせ、ケトン体という物質をつくり出すようになるというのです。

ケトン体は脳のエネルギー源になるものですが、つくられることによって、血管に障害が起きる可能性もあるといいますから注意が必要。

極端な糖質制限推奨派のなかには、「胎児はケトン体を主たるエネルギー源にしているのだから、問題ない」と主張する人もいるのだとか。

しかし発育の悪い胎児と普通の胎児とを比較した先行研究によると、発育の悪い子は血糖値が低く、ケトン体が高いということがわかるのだそうです。

そもそも、ケトン体を産生する食事の際、どんなことに注意すべきかは、「国際ケトン食研究グループ」から医療従事者に勧告されているもの。

にもかかわらず、一般の人が医療従事者のモニタリングを受けることなくそうした治療を受けるのは、控えるべきだと著者は主張します。

■おいしく楽しく食べて健康になれる

極端な糖質制限を行うことには、他にもデメリットが。

食べられるものの幅が狭くなってしまい、食事の楽しみが減ってしまうというのです。

単純なことではありますが、これはたしかに大きな問題であると考えるべきでしょう。

しかしロカボの定義に従えば、食べられるものの幅はぐんと広くなるといいます。なにしろ、ロカボの定義をわかりやすい表現に置き換えたとしたら、「おいしく楽しく食べて健康になれる食事法」ということになるというのですから。

いくら健康になるといっても、食べるものを我慢してばかりでは人生がつまらないものになってしまいます。しかもそれ以前に、続けること自体が困難になってしまうはず。

■ごはんやパンは半分~3分の1だけ

先ほどロカボの定義について、「一食あたりの糖質量を20~40グラムに抑えて食べる」とご説明しました。

ざっくりいうと、ごはんを通常の盛りの半分、あるいは3分の1程度にしたうえで、おかずをおなかいっぱい食べれば、それだけでロカボの基準値内の食事になるというわけです。

パンにしても同じで、食パンであろうとロールパンであろうと、全部食べるのではなく、半分~3分の1だけ食べるようにするということ。

お米やパンを半分しか食べられないと、すぐにおなかが空いてしまうのではないかと心配になるかもしれませんが、その心配もないと著者。

ロカボの食事では、お米やパンを半分~3分の1に減らしたら、それで終わりにするのではなく、他のものでおなかをいっぱいにすべきだから。

サラダでも肉でも魚でも、なんでもしっかり食べて大丈夫で、たんぱく質や油の量を気にする必要もないそうです。

パンにはバターをたっぷり塗っても問題なし。それどころか、塊のまま、パンの上に乗せるような意識で食べてもかまわないというのですから驚きです。

■ロカボなら健康的にやせていける!

いわばロカボの食事法は、これまでの食事からなにかを完全に抜いたり、食事全体の量を減らしたりするものではないということ。

食事とおかずのバランスを変え、お米やパンの量を減らしたぶん、おかずの量を増やして食べましょうという考え方であるわけです。

しかもロカボでは、基本的に食べられないものはなし。

だから食事の楽しみが削られることもなく、健康的にやせていくことができるというのです。

無駄なものを減らし、食べたいもので補うというロカボの考え方は、非常に現実的。本書に目を通してみれば、その有効性を実感できるかもしれません。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※山田悟(2016)『緩やかな糖質制限 ロカボで食べるとやせていく』幻冬舎

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