人の判断時間は3秒!相手に伝えるとき「意識すべき3つのこと」

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2016.08.10

suzie.20160811

『「プレゼン&資料作成」のプロが明かす! 3秒でOKがもらえる「伝え方」の基本』(天野暢子著、大和出版)の著者は、豊富なプレゼンテーション経験を持ち、プレゼン資料、企画書、プレスリリース、広告コピー、記事など、用途に応じた資料を作り分けてきた実績の持ち主。

またテレビのニュース番組の校閲にも長年関わってきたため、テレビにおける一瞬での見せ方、伝え方等の演出手法にも長けているそうです。

そして、そんな実績を軸に本書で訴えかけているのは「伝え方」の重要性。ポイントは3つあるといいます。

■伝えるときに意識すべき3つのこと

(1)伝えるだけではダメ

まず1つ目は、「伝えるだけではダメ」だということ。ただ伝えさえすれば、それで完結するというものでは決してないというのです。

つまり、「こうしたほうがいいですよ」「こうしませんか?」とアピールしたうえで、相手から「イエス」を引き出し、行動に導かなければいけないという考え方。

だからこそ「伝え方」とは「プレゼンテーション」そのものであり、「プレゼン力」とは「イエスを引き出す力」だと考えているというのです。

ちなみにプレゼンという言葉には、広告業界やマスコミ、外資系企業に働く人たちのためのものであるようなニュアンスがあるかもしれません。

しかし、実際には営業職はもちろんのこと、「新しい就業規則を全社員に徹底したい」と考える総務や経理などの管理系から、「次の製品の開発費を獲得したい」という研究や開発などの技術系に至るまで、すべてのビジネスパーソンに必要なスキルであると著者は断言します。

プレゼンが「伝える」という行為である以上、それは理にかなった考え方だといえるでしょう。

(2)人は3秒以内に判断する

2つ目のポイントは、「人は3秒以内でものごとを判断している」ということ。

実際、著者が働いてきたテレビの世界においても、「3秒で伝えろ!」は基本中の基本。だからこそ、徹底的に叩き込まれたと当時を振り返ります。

ちなみにこの「3秒」にはきちんとした根拠があるのだそうです。テレビの視聴者がリモコンを片手に「見たい・見たくない」の判断をし、チャンネルを変えるまでの時間が3秒だというのです。

人はそんな一瞬で、“その先”につきあうかどうかを判断しているということ。極端なように思えるかもしれませんが、ご自身の行動に当てはめてみれば、納得できる部分は少なからずあるのではないでしょうか?

いいかえれば、「長い時間をかけてたくさんの情報を伝えてほしい」という人は少ないわけです。多くの人が、結論を1秒でも早く知りたいと考えているというのです。

「誠意を持って時間をかけて伝えれば、うまくいく」という考え方は、理想論でしかないのかもしれません。だからこそ「短く伝える」ことは、

「サービスのよい点をお客様に知ってほしい」

「取引先にシステムを導入してもらいたい」

「新商品をマスコミに取り上げてもらいたい」

というような目的を叶えるうえでの必須条件になるといいます。

(3)相手から「イエス」を引き出す

そして3つ目のポイントは、「人はどんなことに心を動かされ、イエスというのか」という点。そしてこのことを考えるにあたり、著者は「プレゼンテーション」の語源にまでさかのぼっています。

ご存知の方も多いかと思いますが、プレゼンテーションという言葉は、プレゼント(贈り物)に由来したもの。

いうまでもなくプレゼントは、相手が喜ぶ顔を思い浮かべながら選ぶはず。つまり相手から「イエス」を引き出す基本は、「相手がなにを欲しがっていて、なにをプレゼントしたら喜ばれるのか」をとことん考えることにあるわけです。

■相手の求めるものを考えて伝えよう

でも現実的に、相手の気持ちはお構いなしに、自分のいいたいことだけを主張している人は少なくないもの。

そのことを理解するため、ここで著者は「ガラスのコップを買ってほしい」ということを目的とした商談についての考え方を引き合いに出しています。

ある人は、収納のしやすさや持ちやすさ、お手頃な価格という観点から「直径7cm、高さ10cm、容量は200mlで、1つ300円」などのスペック(仕様)でアピールします。当然ながら、これもプレゼンのひとつのスタイル。

一方、別の人は、「この道30年の職人に頼み込んでつくってもらった、限定50個の商品です」という伝え方をするかもしれません。

ここで重要なのは、「どちらが正しい」という答えはなく、「どちらも正しい」こと。

性能や価格が決め手となる相手ならスペックで伝えるべきですし、商品が持つストーリーに心を動かされる相手であるなら製作の背景を伝える。それが正解だということです。

いわば、相手の心が動くように、「相手の求めるものはなにか?」を考え抜いて伝えることがもっとも重要なポイントだという考え方です。

つまり、必ず持っておかなければならない視点は、以下の2つ。

(1)相手はどう感じるか?

(2)その交渉やプレゼンで重要なことはなにか?

この2つは、どんなケースであっても、交渉やプレゼンのどんな段階においても、必ず持っておかなければならない視点だと著者は主張します。

このように基本的な考え方を軸として、本書では「伝え方」の極意を徹底的に解説しています。なんらかの手段によって伝える必要があるという人は、読んでおくべき内容だといえそうです。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※天野暢子(2016)『「プレゼン&資料作成」のプロが明かす! 3秒でOKがもらえる「伝え方」の基本』大和出版

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