良質な努力が生産性を高める!「いい努力」を形成する7つの要素

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2016.08.24

suzie.20160823

『マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』(山梨広一著、ダイヤモンド社)の著者は、世界最高のコンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーのトップコンサルタントとして25年にわたり活躍してきた人物。

ほんの数年勤務しただけで「マッキンゼー出身」を謳う人も少なくないだけに、このキャリアには特筆すべき価値があるのではないでしょうか?

ところでそんな著者は本書において、「努力」の本質的な意味をとらえなおしています。

一般的に「努力することはいいことだ」と思われているし、もちろんそれはよいことなのだけれど、「努力をすればいい」と思った瞬間に大事なことを見失ってしまうというのです。

つまり「努力をすればいい」のではなく、努力の質が重要だということ。同じ時間をかけるのであれば、すべて「いい努力」に転換したほうがいいという考え方です。

たしかにそのとおりですが、だとすれば「いい努力」とはどのようなものなのでしょうか?

著者によれば、それは7つあるそうです。

■1:「成果」につながるもの

たとえば3年の再月をかけ、手塩にかけてリンゴの木を育てたけれども、ひとつも実らなかったとしたら、それは「いい努力」ではないと著者はいいます。

「いい努力」とは、その努力をした結果、成果が出るもの。リンゴの木を育てるのなら、リンゴを実らせるのがいい努力だということです。

■2:「目的」が明確なもの

成果とは結果であって、すぐに出るものではありません。「なにをすれば成果につながるのか?」、そんなこと100%はわからないのが当たり前だということです。

その状態で努力をするのだから、大切なのはいちばん先に目的を意識し、明確にすること。つまり、目指す成果がどんなものであるか、それを明確にすることだというわけです。

いってみれば「いい努力」とは、目的が明確なもの。「自分はなんのために努力をするのか?」と、常に考える必要があるのです。

■3:「時間軸」を的確に意識しているもの

目的がはっきりしていても、「いつまでに」が漠然としていたのでは意味がありません。

「5年以内に県内ナンバーワンのリンゴ農家になる」ことが目的なのか、「来年、リンゴを100個つくる」ことが目的なのかによって、努力の仕方は変わってくるということ。

目的を達成する時間軸を的確に捉えていない努力は、「いい努力」とはいえないわけです。

■4:「生産性」が高いもの

「成果が出ることは出るけれども、そのためには膨大な時間と労力を要する」という努力も、「いい努力」とはいえないと著者はいいます。

同じ成果を導けるのであれば、かかる時間やコストは小さいほうが望ましい。より短い時間と小さな労力で高い成果を出せるほうが、よりよい努力といえるわけです。

■5:「充実感」を伴うもの

「いい努力」をしている最中は、フラストレーションや挫折感を意識することは少ないもの。

逆にいえば、「悪い努力」の場合、やってもムダなことをしたり、本当は必要のない障害を乗り越えるためにエネルギーを費やしたり、進んでいた道が行き止まりで戻るはめになったりするので、ネガティブな感情が生じてしまうということです。

しかし「いい努力」には、余計な動きが少ないと著者はいいます。ムダなことに振り回されることなく、手応えを感じながら進んでいる状態になるのだということです。

■6:「成功パターン」が得られるもの

「いい努力」を続けていると、「高い成果を出すには、このパターンの努力がいい」ということが自然にわかってくるもの。

「いい努力」をすればするほど、その蓄積によってたくさんの成功パターンを会得でき、さらにいい努力ができるようになっていくということ。

また、自分自身の経験のほかに、うまくいっている人から学んで真似ることによって、成功パターンを増やしていくことも大切だといいます。

■7:「成長」を伴うもの

生産性が高く、高い成果が出るというだけで、それは十分に「いい努力」。しかし「いい努力」のあとには、「成長」といううれしい副産物がついてくるものだというのです。

明確な目標に向かって、期限を意識し、生産性を高める「いい努力」をすれば、自分自身も身のまわりの環境も進化、成長するもの。

「いい努力」をする人は、試行錯誤しながら成果に結びつくパターンをつかんでいけるし、まわりの環境がその人の働きかけによって変わっていくということです。

成長した人が進化した環境で働けば、次はさらに高い成果を出すことができるという考え方。

1年間でリンゴを5万個つくるパターンをつかんだ人が、そのパターンを使ってさらにいい努力をすれば、翌年には7万個生産できるようになっていくというわけです。

こうした“基本”をもとに、本書ではさらに奥深く「いい努力」のあり方を考えています。

先にも触れたとおり、努力は有形無実になりがちなもの。だからこそ、その本質を見逃さないためにも本書を読んでおくといいと思います。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※山梨広一(2016)『マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』ダイヤモンド社

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