2020年代にはコメントが兵器!将来有望な近未来の職業10種

  • LINEで送る
2016.09.01

shutterstock_371865136

新しい仕事が生まれた当初は、「そんなものが仕事になるわけがない」などといわれることも少なくありません。

ベルリンの壁が崩壊した1989年にはウェブ開発者という職業はありませんでしたし、ほんの10年前ですらソーシャルメディアマネジャーも存在しませんでした。

でも少し時間がたつと、存在するのが当たり前になってしまうもの。しかも、新しい仕事が生まれ、古くなった仕事が消えていくスピードは、近年とみに速くなっています。

マイクロソフトとイギリスの研究機関・ザ フューチャー ラボラトリーの共同レポート「明日の仕事」によると、2025年の新卒就職者の3分の2は、現在まだ存在もしていない仕事につくことになるのだとか。

そんな変化の激しい時期には、将来有望そうな職業を早めに見つけておきたいですね。

アイルランド発のテクノロジーニュースサイトの『SiliconRepublic』が報じた、近い将来に有望になりそうな10種の職業をご紹介します。

■1:仮想現実居住区デザイナー

「明日の仕事」では、仮想現実居住区デザイナーについて次のように述べています。

「2025年までに、仮想現実居住区デザインには、大量の新しい仕事が生まれるグローバルな産業のなかで、もっとも非常にエキサイティングで創造的な仕事のチャンスが訪れるでしょう。

仮想現実居住区デザイナーには、オンラインゲームのデザイナーが持つ物語づくりのスキルと、都市設計家の持つ空間デザインのスキルの両方が必要とされます。この2つのスキルがないと、仮想世界全体をイメージして創り出すことができないからです」

より洗練された仮想世界が注目を集めると、一気に仕事の質や量が増えていくかもしれません。

■2:ロボット倫理調停者

「ロボット倫理調停者は、ロボットやAIが増えて複雑かつ相互に関連した世界を助けてくれる、人間のための仲介者です。

おもな仕事は、どの機械を操作すべきか、どんな機械が存在すべきかを、メーカーをも含め、モラルや倫理上のルールの形で設定すること。そうすることにより、人とロボットとのデリケートな関係性を調停するのです」

ちょっとわかりにくいお仕事ですね。ドラえもんがそうであるように、日本人にとってのロボットは「友だち」であるのが当たり前。

しかし、欧米のロボット観はちょっと異なります。人間に対して反乱を企てるかもしれないというイメージが強いのです。

ロボットは便利だけど危険なものなので、ロボットが増えた世界では、うまくつきあっていくためのモラルやルールを決める役割が必要だということでしょう。

■3:文化デジタルコメンテーター

「2020年代には、文化デジタルコメンテーターが、ブランドやハイカルチャーなどにとっての秘密兵器となるでしょう。ネット上の都合の悪い意見を上手に説き伏せて、将来的な顧客とするための兵器なのです。

次世代視覚ソーシャルメディアの達人は、複雑で難解な内容をシンプルでインパクトのある画像を使って、一般人にもわかるように橋渡しができるようになることでしょう」

たとえば歴史や絵画や古典文学といったハイカルチャーを、誰もが楽しめるぐらいシンプルに見せるスキルが必要な仕事のようです。

そんなスキルのある人が、あるブランドを上手に擁護したり、わざとらしくなく宣伝したりしたら……? たしかにそれは秘密兵器となるかもしれません。

■4:フリーランス・バイオハッカー

バイオハッカーとは、新しい生物を作り出しかねないほどのバイオテクノロジーの専門知識を有するマニアのこと。

研究機関や企業に所属する研究者にしか存在しなさそうですが、フリーランスとはどういうことでしょうか? 「明日の仕事」では、下記のように述べています。

「フリーランス・バイオハッカーは、オープンソースソフトウェア上で、まるで巣のなかのハチのようにチームを組んで働きます。家からでも、彼らが集まる場所からでも、仕事を進めていくことが可能です。

大学の研究機関や大手製薬会社、バイオサイエンス企業などが、フリーランス・バイオハッカーに複雑なDNA構造を振り分けて解読を依頼し、結果を集めて、全体的な解読を行うということが起きるでしょう。

そしてその結果、次の10年の大きな問題に対する基礎研究となることでしょう。

それは、高齢化社会におけるがんの治療法であるとか、グローバル化が進むにつれて、いっそう状況が深刻になる新たな感染症のワクチン開発であるとか、はたまた気候変動などの問題についてです」

以前、難問のタンパク質構造を解く鍵となる酵素を、オンラインゲームをプレイしていたグループが発見したというニュースがありました。

掲示板のスレッドに、みんなの知恵を集めて解決へ向かうというスタイルは、「電車男」以来よくありますが、その結果ががんの新しい療法や、ワクチン開発につながるというのは、未来の働き方の象徴的なスタイルかもしれません。

■5:ビッグデータ・クリエイティブ・ディレクター

「私たちの衣服や、家、自動車、オフィスに設置した装置から、日々集める大量のデータを読み解き、大量のデータがいわんとすることを意味があって使いやすい形で伝えるのが彼らの役割です。

この仕事をするには、3つの鍵となる才能が必要です。第一にパターンを読み解く繊細な能力、第二に難解さに切りこむシャープな質問能力、そして生まれながらのストーリーを物語る能力です」

ビッグデータをどう使うかについては、いまも議論されています。でも効率的にビッグデータを活用するために必要なのは、物語を語る才能です。この仕事に限らず、未来の仕事のキーワードのひとつは「物語力」なのかもしれません。

■6:宇宙ツアーガイド

宇宙ツアーガイドと聞くと、なんだかわかりやすそうに感じますが、実際のところはどうなのでしょうか? 「明日の仕事」では、このようにいっています。

「宇宙ツアーガイドは膨大な知識を使い、搭乗する宇宙船の航路のなかで、訪問すべきもっとも興味深い場所のリストを構築します。幾千もの衛星の場所や、かつての宇宙ミッションの残骸などについての知識が必要です。

宇宙ツアーガイドの仕事は、結果的に人類が地球の大気の外へ出た最初の50年に行った活動の記念碑を見いだし、物語ることになることでしょう。記念碑とは忘れられ、打ち捨てられた宇宙船や、壊れた機器などのことです」

ずいぶんマニアックな設定の仕事になりそうです。いまなら、遺跡をめぐる旅のガイドなどが近いかもしれません。

■7:パーソナル・コンテンツ・クリエーター

個人が発信するブログや動画などのコンテンツが、大きな流行を創り出すことはいまでもあります。未来には、それをつくる仕事がメジャーになるのでしょうか?

「2020年代の終わりごろには、神経科学者が開発した人の脳とコンピューターをつないで、情報の行き来ができる機器が主流になってきていることでしょう。そのため、自分の考えや記憶や夢を、多くの人が見聞きすることができる世界となっているでしょう。

パーソナル・コンテンツ・クリエーターは、これらのシステムの使い方を指南し、広がりすぎた「知能」の容量を増やし、意のままに素晴らしい記憶や経験を楽しみ、戻ってくることができるようサポートします」

ブログや動画の域を超えて、個人の考えや思いがそのままメディアになる世界の仕事のようです。

ハリウッドで実写化される某アニメを彷彿とさせますが、それが捜査に使われるのではなく、エンターテイメント使用される状況での仕事なのかもしれません。

■8:再野生化ストラテジスト

「再野生化ストラテジストは、壊れた景観のなかにおける生存可能な生態系をまとめあげる仕事です。その場所の在来種のみにこだわることなく、世界中の動植物をパッチワークのように用います。

数百年前にその土地では絶滅した動植物を、再導入することもあります(ニホンオオカミは絶滅していますが、生態系に新たなオオカミを入れるようなイメージです)。

気候変動が進む中で、活力ある景観を創り上げるため、再導入した動植物の移住を管理します」

トキの野生での個体数を増やすために、放鳥と観察を続ける作業に似ていますね。でも明らかに違うのは、もといた動植物を再生するのではなく、生態系をまとめるために、在来種以外の種を取り入れることでしょう。いろいろな局面で、賛否両論がありそうですね。

■9:持続可能な電力イノベーター

「持続可能な電力開発者は化学と物質科学の専門性と、起業家の勘の両方が求められる仕事です。彼らは新たな蓄電池機能を開発するために、元素周期表をくまなく探し、元素と有機物質を結びつけるのです。

また彼らは、超高速充電機器の導入も担当します。過度に都市化した世界は、日々インターネットへの依存の度合いを高めています。インターネットに頼るほど電力需要も高まるため、充電をすばやく行う必要があるからです」

よりよい蓄電池の材料を求めるハンターの一面と、スマホの充電に悩むユーザー目線の一面のある仕事のようですね。

未来のお悩みは、もはや「なにで発電するか」ではなく、「なにを使って蓄電するか」へと進んでいるのですね。

■10:人体デザイナー

結果にこだわるダイエットのことかと思ってしまう職名です。しかし「明日の仕事」が考えるのは、さらにその上を行くコミットのようです。

「次の20年でバイオテクノロジーが発展し、技術的にも値段の面でも、臓器や組織の移植はごく普通の治療となります。その結果、人間の平均寿命は100歳を超えるでしょう。

人体デザイナーは、バイオエンジニアリング技術とデザイン技術を組み合わせて、カスタマイズされた四肢をつくり出します。

もとの身体と完全にフィットする肌の色や筋肉組織にすることも、エキゾティックな魅力の新たな容姿にすることも、特定のスポーツや仕事に向いた機能を持たせることも可能です」

形成外科や整形外科の発展バージョンというだけでなく、サイボーグ化も含めてデザインする、ものすごいコミットレベルです。

まだ存在もしていない職業をイメージするには、いまある仕事との共通点から考えてみるのが早道。したい仕事や、やったことのある仕事との共通点はありそうでしょうか。

「そんなのが仕事になるものか」と感じても、まずは毛嫌いしないで、チェックしてみてください。

(文/粟飯原由布子)

 

【参考】

Check out these 10 jobs of the future-SiliconRepublic

関連記事