アポがとれる確率は30件に1回!確率論で考えて大量行動すべし

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2016.09.10

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『なぜ、あなたは変われないのか?』(古川武士著、かんき出版)のテーマは、「ビリーフ」。

聞きなれない言葉ですが、著者によればそれは、私たちの行動や感情を突き動かす思考習慣。幼少期からずっと、私たちの無意識下で行動・感情を操ってきた、「心のずっと奥にある根深い思い込み」なのだそうです。

つまりは過去の失敗体験や嫌な記憶が悪循環のスパイラルを生み、自分自身を苦しい人生へと導いてしまうということ。

ビリーフを変えることができなければ、いつまでもずっと同じパターンを繰り返すことになるというのです。

しかし、だとすれば、もしビリーフ(根深い思考習慣)を上手に扱うことができれば、何十年と繰り返してきたイライラや自己嫌悪・不安・徒労感から解放されるということになるはず。

本書も、そこに焦点を当てているわけです。

著者は、「習慣化コンサルタント」として活躍している人物。

10年前までは「“こうなりたい!”という理想がありながらも実現できない」状態だったそうですが、ビリーフを扱えるようになった現在は、状況が一変したのだといいます。

たとえば本を書いたり、国内外で講演を行ったり、多くの人とプロジェクト型で仕事をしているものの、イライラすることはほぼ皆無だというのです。

なぜなら、イラッとすることはあっても思考でコントロールすることができるから。それが、ビリーフの力。

なんでも「完璧にしなくてはいけない」という強迫観念が消え去り、力の入れどころと抜きどころがはっきりし、その結果として仕事ではメリハリがつくようになったからこそ、疲れることはないのだということ。

ビリーフのこうした効力を前提としたうえで、本書のなかから興味深いエピソードを抜き出してみましょう。

■30件アポ電すれば1回は反応がある

著者は新人時代、情報システムの営業部に配属され、新規顧客開拓担当になったことがあるそうです。

会ったことすらない企業に電話をかけるところから仕事がスタートするわけで、当然のことながら、電話をかけてもそっけない態度で断られることの連続だったといいます。

だから「こんなことをやっていても、会ってくれる会社はないよ」という気持ちを抱えながら電話をしていたそうですが、15社目の担当者が「じゃあ、一度話だけ聞きましょうか?」といってくれたというのです。

そして、以後も毎日アポ電話をかけ続けた結果、わかってきたことがあったのだといいます。それは、「30件に1回はアポが取れる」という確率。

そのように考えれば、29回そっけなく断られることのダメージが少なくなるということ。

なお大量に電話をかけ続けた結果、2期連続でトップの営業成績になったというのですから、そこには強い説得力があります。

■1冊目は33の出版社に企画書を郵送

著者は13冊もの本を書いてきた人物で、いまでも多くの執筆依頼を受けるそうですが、6年前に初めての本を出したとき、出版業界に知り合いはひとりもいなかったのだそうです。

そんなときにも、役に立ったのがビリーフ。具体的にいうと、「人生における願望は、大量行動すれば実現する」というビリーフを適用したというのです。

そこで、まず考えたのは、多くの出版社に自分の本のアイデアを見てもらおうということ。

自分の本棚に並ぶ、大好きな本を出版している会社をリストアップし、計33社に一気に企画書を郵送してみたのだそうです。

すると、2日後に2件、面会の連絡が。さらにはその2にも4件と、次から次に連絡が来て、最終的に11社からのオファーを受けたというのです。

大量行動をした結果、新人でありながら出版社を選べる立場でスタートできたということ。

そんな経験があるからこそ、著者は、「大切なことは確率論で考え、大量行動する」ことの大切さを訴えているのです。

■まずは量を試せば可能性が開けてくる

「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ということわざがありますが、著者もまた、「量を試せば可能性が開けてくる」というポジティブビリーフを持っているということなのでしょう。

自分がすでに体験し、経験から信じているポジティブビリーフを、人生の要所要所で適用するという考え方が、人生によい影響をもたらすというわけです。

だからこそ著者は、「まず自分の成功体験を具体的に思い出してみてください」と読者に呼びかけています。きっと、好ましいビリーフが眠っているはずだから。

このように本書では、著者やさまざまな人の成功体験を引き合いに出しながら、ビリーフの重要性を説いています。手にとってみれば、そこから新しい道が開けるかもしれません。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※古川武士(2016)『なぜ、あなたは変われないのか?』かんき出版

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