最初の48時間で点数を稼ぐべし!新環境で周囲の信用を得る方法

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2016.09.13

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『モルガン・スタンレー 最強のキャリア戦略』(カーラ・ハリス著、堀内久美子訳、CCCメディアハウス)は、モルガン・スタンレー資産管理部門のバイスチェアマンであり、キャリアアドバイザーによる著作。

自分のコンテンツ(=売りとなるもの)の見つけ方、成果貯金(=信用・評判・強み)を使ったさらなる成果の出し方、そして人間関係貯金(=昇進するために必要な人間関係)の貯め方と効果的な使い方を解説しています。

そして著者は、本書を通じて多くのビジネスパーソンが、景気や社内政治の状況に振り回されることなく、成功の高みへと登っていくために必要な対策と手段を見つけられることを願っているのだとか。

今日はステップアップについて書かれた第1部のなかから、「成果貯金」という考え方をご紹介したいと思います。

■成果をあげて得た信用が成果貯金に

成果貯金とは聞きなれない言葉ですが、著者によればそれは、職務をきちんとこなし、個々の仕事ですぐれた成果をあげることで生じる信用や評判、強みのこと。

「予想より早く仕事を終えた」「求められている以上の分析や考察を加えた」「創造的で明快、建設的な方法で情報を提示した」など、常に期待される以上の結果を出すと、「成果という貨幣」の貯金ができるという考え方です。

つまり、成果貯金=(知性+経験+効果的な実行)×頻度となるわけです。

ウェブスターの辞書では、「貨幣」は「交換の媒介物として流通しているもの」と定義されているそうです。つまり評判がよく、すぐれた成果を上げたという実績があれば、それと「交換」できるものを持っているということになるのです。

それは、誰もが就きたがる社内のポスト、昇給、上級幹部への紹介、意思決定会議で尊重される発言権、大きな取引で担当チームに加わること、顧客の前でプレゼンテーションする機会、ミスをしたときの埋め合わせをするチャンスなど。

■成果貯金がなければ前進できない!

著者によれば成果貯金はきわめて有益で、なににも代えられないもの。組織内で政治力がなく、特に際立った地位でもない場合には、特に重要になるといいます。

なぜなら駆け出しのころは、どんな組織にいたとしても、その種の力は持っていないものだから。

そこで新しい組織に入ったら、早いうちに点数を稼ぎ、成果貯金を手に入れることが大切。具体的には、与えられた仕事をきちんと実行し、その仕事ぶりを上司とまわりの人に認めてもらう必要があるわけです。

成果貯金がなくては、昇進もなければ、組織内での認知度を上げるような任務に抜擢されることもないからです。

そして成果を出したことは、上司か、もしくは組織内で信用と権限を持つ人物に承認してもらうことが必要。そうして初めて、成果貯金に価値が生まれるからです。

いくら自分で素晴らしい仕事をしたと思ったとしても、誰もそれに気づいてくれなかったり、組織が努力や仕事を評価してくれなかったりしたら、昇進や昇給、異動のチャンスのきっかけとはなりません。

上司が成果を認める機会や方法はさまざまですが、重要なのは、自分が組織に対してしたことが、組織内の人から評価され、期待どおりかそれ以上の成果を出したといわれること。

■新環境で成果貯金を手に入れる方法

組織に新人が入ると、その人の品定めがはじまるのは人の世の常。

そして「新しい環境に馴染むのに苦労している」とか、「よそよそしい」と思われたりしたら、成果貯金をはじめる前から成果という貨幣価値が下がることになるのです。

また、はじめにあまりミスをしすぎると、期待以下の人間だと決めつけられ、場合によっては「組織にふさわしくない」という烙印を押されることも。

人はすぐに思い込みや決めつけをするものなので、一度誤解を受けると自分の貨幣価値が傷つき、貯金が難しくなりかねないということ。

そこで新しい仕事をはじめたり、新しい環境に入ったりするときは、必ず最初の24時間から48時間で手早く点数を稼げる方法を見つけたほうがいいと著者はいいます。

そして同時に、「約束は小さく、成果は大きく」の考え方を実践することも重要。つまり、どんな仕事であっても、求められたことより大きな成果を出すよう努力すべきだということ。

たとえば上司から「午後2時までに仕事を上げるように」といわれたら、午前11時までに仕上げるようがんばってみる。

ある企業に関する調査報告を作成するようにいわれたら、その企業の最大の競合企業についても調べ、簡単に2社の比較分析をしてみる。そうした努力をするのです。

まったくなじみのない環境や業界に入った場合、簡単に成果貯金をはじめるには、自分の仕事について知的で鋭い質問を同僚に投げかけてみることだといいます。

一緒に働く人に、そうした“考えさせるような質問”をすれば、自分が仕事についてよく検討し、どうすれば成功するかを考えていることが伝わるから。つまり、「きちんと仕事をする人なのだろう」という認識と期待が生まれるわけです、

このように、著者の主張は力強く、そして明快。そのすべての方法論が日本の企業でのビジネスに応用できるとは限らないかもしれませんが、それでも役立つ部分は多いはずです。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※カーラ・ハリス(2016)『モルガン・スタンレー 最強のキャリア戦略』CCCメディアハウス

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