『あなたの魅力を爆発させる方法』(文響社)の著者・山田マキ氏のなかには以前から、「魅力がほしい」「人に愛されたい」「幸せを手に入れたい」という思いが強くあったのだそうです。
そこで30代になったとき、服装、メイク、ネイル、仕草、資格や習いごとなど、さまざまなものに手を出して努力をしたものの、状況はまったく変わらなかったのだとか。
それもそのはずで、つまりは「間違った自分磨き」ばかりしていて、むしろ自分の本当の魅力を失わせていたということ。
そこで自分や友人たちの失敗体験を振り返り、負の連鎖から見事に脱出できた人たちの事例などをもとに、「本当の魅力」を手にいれる方法をまとめたのが本書だということ。
第4章「イイ女は年齢を隠さない 30歳を超えたら変えるべきこと」から、いくつかの要点を引き出してみましょう。
■自分の年齢はオープンにする
独身女性は、加齢とともに生きづらさを感じることが増えると著者は指摘しています。
合コンやお見合いにおいても年齢で明確に線を引かれるようになるため、存在自体も認めてもらえていないような、自分のすべてを否定されたような思いをすることもあるというのです。
そして、そんな経験が一度でもあると、とたんに自分の年齢が重くのしかかってきて、後ろめたい気持ちになってくるのだとか。
そのため自分を守ろうとするものの、反応は過剰なものになりがち。だから結果的に、まわりに余計な気を使わせることがあるというのです。事実、著者の周囲にも、30代になってから年齢を気にしてしまい、過剰に守りに入る友人がたくさんいるそうです。
■隠さなければ相手も楽になる
しかしその一方には、なんの抵抗もなく自分をオープンにできる人がいるものです。
たとえば、初めて会った人に対しても自分から「婚活しているから、誰か紹介して!」「本当は40歳だけど、まだ若く見えるかな?」と、積極的にオープンにしていくようなタイプ。
そのようなアプローチをされると、相手も遠慮することなく打ち解けることができ、すぐに仲を深めていけるものです。著者にも、そういう人を見ていて安心できた経験があるといいます。
後ろめたいことは、隠そうとすればするほど、それが本当にいけないことのように見えてしまうもの。
そこで、まわりに気を使わせないためには、
・聞かれたくないことこそ、気にかけていないそぶりで堂々と答える
・事実をいいたくないときは、あからさまな嘘で茶化す
・「気にしていない」態度で、先に後ろめたい情報を伝える
ことが大切だといいます。
まわりの人に気を使わせていると。誰も近づかなくなってしまうもの。年齢を重ねることは罪でもなんでもないのですから、意地になって隠す必要はないということです。
■女子力と人間力は「3:7」に
世の中の多くの女性が、女子力を高めるために自分を磨いています。
ところが、大人になると女子力だけではどうにもならないことも出てくるもので、たとえばそのひとつが恋愛。
たしかに女子力が高ければ、それなりにおつきあいはできるでしょう。しかし、ずっと一緒にいるとなると話は別。
重要なのはお互いの人間性なので、いくら女子力が高くても、人間力が低ければ「長く一緒にいたい」とは思わないものだと著者はいうのです。
ちなみに人間力とは、具体的に次のようなものだそうです。
・誠実さがあらわれる言動を取っている
・いつも心穏やかにしている
・表裏なく、誰に対しても思いやりがある
・人の批判をしない
・自分を磨く努力をしている
大人になればなるほど、表面的なかわいさや美しさだけではなく、こうしたことができるかどうかのほうが重要になってくるというのです。
そして女性の心を動かすことができると、「女性からも好かれる人間力が高い人」だと見られるのだともいいます。
それなら、女子力も人間力も高いとみなされるわけです。
そこで、人として大切にされるために、女子力と人間力の割合は「3:7」くらい、つまり「人間力多め」を目指すといいのだとか。
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自分自身の失敗を基にしているからこそ、著者の語り口には不思議な説得力を感じさせます。自分自身の魅力を最大限に活用するために、目を通して見るのもいいかもしれません。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※山田マキ(2016)『あなたの魅力を爆発させる方法』文響社