話は3つにまとめるべし!ジブリのプロデューサーから学ぶ仕事術

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2016.09.23

jibunwosuteru

仕事をしているなかで、「自分なりの意見」や「自分らしさ」「自分にしかできないこと」にこだわっていませんか?

実はそれは、自分を苦しめる原因かもしれません。

今回ご紹介する『自分を捨てる仕事術』(石井朋彦著、WAVE出版)の著者は、現在アニメーションのプロデューサーとして第一線で活躍する人物。

21歳のときスタジオジブリに入社し、鈴木敏夫氏のもとでプロデューサー補をつとめていました。鈴木氏といえば、スタジオジブリでいくつもの映画をヒットさせた名プロデューサーです。

鈴木氏は著者に対し、繰り返し「自分を捨てろ」と言ったそう。

自分を捨ててひたすら他人の真似をすることで、人生における学びがあり、仕事を楽しむこともできるといいます。そして、どうしても真似できないと思うところが、その人の個性になるのです。

きょうは本書の中から、著者が鈴木氏から教わった実践的な仕事メソッドをピックアップしました。

■1:人に伝える文章はテーマを明確にする

文章を書くときは、「何が言いたいのか」というテーマを明確にする必要があるといいます。これは当たり前のように感じるかもしれませんが、鈴木氏の手法は具体的です。

まず今自分が考えていることや言いたいことを紙に書き出します。その後で並べた要素を客観的に見直し、その要素のなかでひとまとまりにできるものをまとめていきます。

一番要素が多かったものが自分の一番言いたいことでありテーマということ。そのため、テーマ以外のものは思い切って外してしまいます。

そして、文章は「当たり前のまとめ」をしないこと。たとえば『天空の城ラピュタ』を「夢と冒険の物語」と書いたら、どんな映画にも当てはまるものになってしまいます。

ところが、「バスーとシータは、天空に浮かぶ城・ラピュタへ向かった」としたら、読む人が想像を膨らませることができるでしょう。そして、結果として『夢と冒険の物語』であるということは伝えられるのです。

人に伝える文章にするためには、とにかく具体的に、そして固有の表現や言葉を積み重ねることが大切です。

■2:スケジュールには余白をつくる

著者は鈴木氏のスケジュール管理を任されていました。

先方から鈴木氏へのアポ依頼があったときは、複数のスケジュールを出さず、都合のいい時間を1カ所だけ指定していたそう。それによって自分の思い通りにスケジュールを組むことができるのです。

これは鈴木氏だからできることだという見方もありますが、極力自分の都合で予定を出した方が先方も対応しやすくなるといえるでしょう。

著者自身も現在この方法を実践しているといいます。また、予定を立てるときには必ず「余白」を作っているそう。

毎朝業務が始まるまでの1時間のほか、月曜の午後と水曜の午後に2時間ほどスケジュール表に「空けておく」と書いて予定を入れないようにします。

月曜はその週にやるべき仕事について考え、水曜は煩雑になった思考を整理するために充てているといいます。じっくりと考える時間を作ることで対策を練ったり、問題を解決することができるのです。

忙しいというのは仕事の量というより、精神的にキャパオーバーになっている状態。

毎朝課題を種類別に分けて、あまり時間のかからないことならどんどん片付けていくと、頭の中にも余白が生まれます。それによって集中して考えたり、正しい判断を行ったりすることができるのです。

■3:話すときは全体像を明確に伝える

鈴木氏の話は、ものすごく論理的でも独創的な発想を語るわけでもないのに、その場にいる人を引き込む魅力があるといいます。

鈴木氏は話の前に必ず「大きく3つあります」と言います。これによって聞く人がこの話はどれくらいの分量なのかと理解できます。全体像がわからないで聞いていると人はイライラしてしまうのです。

事前に話すことをまとめておくのはいいことですが、丸暗記はNG。丸暗記をするとひとつ忘れた時にその後を完全に見失ってしまいます。

8割くらい覚えたらなんとなく頭の上に小分けした記憶を放り投げておくというのが鈴木氏流。相手の反応を見て次に話すことを考えればいいのです。忘れてしまうことはむしろその場では必要なかったものです。

また、本題に入る前には必ず場をあたためるために話す雑談「枕」が必要。枕が仕事の話につながったり、言いにくい話でもいい反応を得られたりすることもあります。

打ち合わせなどがあるときは、事前にいくつかネタを考えておくとよいでしょう。

本書には著者が記録した鈴木氏の言葉がふんだんに盛り込まれています。

そのなかのひとつに、「自分のモチベーションとか、成功とか、自己実現とか、そういうものにこだわりすぎる人は、どんどん心が狭くなる」という言葉があります。

自分を捨てて、誰かのために仕事をすることで今までとは違う世界が見えてくるかもしれません。

(文/平野鞠)

 

【参考】

石井朋彦(2016)『自分を捨てる仕事術』WAVE出版

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