今、大学院を出ても就職できない人が増えています。実際、院卒でも非正規雇用のため、月収が5万円なんていう人もいるようです。
かなり衝撃的ですが、そうした彼ら彼女らは“高学歴ワーキングプア”と呼ばれ、社会問題にもなっています。
そこで、全国20代~30代の男女各50人に、「“高学歴ワーキングプア”に思い当たる人があなたの周囲に何人いますか?」というアンケートを実施。すると、0.11人いるということがわかりました。
高学歴ワーキングプアなどと命名までされているわりには、1人にも満たない数字でした。ちょっと意外な感じもします。
しかし、考えてみれば、多少なりとも存在するということ自体がやはり問題なのかもしれませんね。アンケートのコメントも合わせ、高学歴ワーキングプアの実態をもう少し詳しくみていきましょう。
■高学歴ワーキングプアの親にも原因がある
今回のアンケートで、高学歴ワーキングプアに思い当たる人の数でいちばん多かったのは、2人でした。寄せられた回答から、どのような人が高学歴ワーキングプアになっているのかを具体的にご紹介しましょう。
「資格試験に落ちて、アルバイトしながら挑戦しているうちに、というケースです」
「一人は大学を出たのに、なかなか就職口がなく、やっと就職しても会社都合で契約期間終了になっている。二人目は、親が過保護で心配症すぎ。末っ子だから本人も甘えていると思う」
「一人は京大出身、未だにバイトしている30代男性。もう一人は、海外の大学出身で30代後半なのに未だにバックパッカーで旅行しまくっている女性。どちらも正社員になりたくない、親から仕送りしてもらえばいいという考えの持ち主」
親の過保護云々というのはちょっと問題ありの気がしますね。しかし、こうして見てみると、本人の努力や責任以外のところにも多少の原因があることがわかります。
また、正社員にはなりたくないというのは、人それぞれの価値観の違いですよね。ただ、どうも、親というスポンサーがあっての話というオチにたどりつく傾向にあるようで、ちょっと気になるところです……。
■高学歴ワーキングプアは本人にも問題がある
そして、「高学歴ワーキングプアになる原因は何だと思いますか?」という質問に対しては、親の問題より、本人のプライドや理想の高さを指摘するものが多く寄せられました。
「上を見すぎているような気がする」
「プライドが高くて、“自分がこの程度の企業には向かない”と思っているのではないでしょうか」
「学歴がある程エリートだから、大企業に入るべきだという先入観が強すぎると思う」
ちなみに、周囲に高学歴ワーキングプアはいないという人で、親に問題ありと示唆した人はたったの1人でした。
あと、本人のプライドに次いで多かったのは、会社側や社会に問題があるとする回答でした。
「そもそも、高学歴だから求人がたくさんあるという時代でもないと思う」
「会社が求めるスキルと大学院で学んだものが乖離している。年齢がいっているだけで、はじかれる社会構造に問題がある」
「日本では、“高学歴=高い基本給を払わないといけない”といった風潮が強いので企業側も高学歴の人間より即戦力の人間を取りたいのだと思う」
他には、「学歴と仕事スキルは全く関係ない」という一刀両断派も目立ちました。確かに、その通りですよね。考えてみれば、超一流大学院とて、長い人生の準備期間に過ぎません。
テストで満点をとることより、人生の本番に焦点を合わせて学び続けるという姿勢が、基本的に必要だと言えそうです。
みなさんは自分の学歴にコンプレックスを抱いたこと、ありますか? もしあったら、そんなことは頭から取っ払って、ぜひ仕事スキルを高めることだけに集中してくださいね!
(文/富士峰子)
【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ『簡単アンケート』
調査期間:2014年11月21日 (金)
調査対象:全国20代~30代の男女各50名