今、日本の自殺率が問題になっています。内閣府のまとめによると、平成25年中における自殺者総数は2万7283人となっています。
一方で、医療技術の発展によって私達は長生きしやすい環境にあります。
なんだか皮肉な話ですよね。
こうした世の中で、もし自分で自分の寿命を決められるとしたら、いったいみんな何歳まで生きたいと思うのだろう?そんな疑問がふと頭をよぎった筆者。
さっそく、全国の30代~40代の女性100人に、「もし自分で自分の寿命を決められるとしたら、いったい何歳まで生きたいと思いますか?」というアンケートを行なってみました。
すると、日本人は自分の寿命が77歳まででいいと思っていることが判明。医療技術も発展しているので長生きがしやすくなっているにもかかわらず、みんなそんなに長生き願望はなかったのです。
いったい、どうしてそんなふうに思うのでしょう?また、寿命までに何をしたいと考えているのでしょう?気になるアンケート結果を詳しくみていきましょう。
■医療技術より生活のしづらさが大問題
世界一ご長寿な日本人女性。その平均寿命は86.61歳。昔から、ご長寿は大変おめでたいことであり、多くの人の望むところでした。しかし、今回のアンケートに寄せられたコメントから、一概にもそうとは言えない事情が浮かび上がってきたのです。
「85歳。年齢で言うよりも、介護が必要な状態になる前には逝きたいです。70歳で要介護であればもう死んでもいいし、85歳になっても自活できるのであれば生きていたいです」
「80歳まで。それ以上になると進化する文明に付いていけなくなるかもしれないから」
「ガンになったり温暖化で苦しみそうなら程々がいいので80歳」
「70歳まで。ボケたくないから」
「65歳。年金で生活出来ない(十分には貰えないだろう)から、生きていくのが大変」
「60歳。老後の資金が貯められそうにない」
「60まで。年金生活は魅力的だが、現役世代の負担が大きすぎる」
医療技術は進歩しても、生活のしづらさは逆に増していく傾向にあるわけです。
■生きる理由は子供や孫にあった!
アンケートではまた、「寿命までに何がしたいですか?」という質問も行いました。多く寄せられた声の他、ユニークだったものなどもご紹介しましょう。
「100歳まで。孫の顔をみて愛されたまま死にたい」
「100歳。一世紀生きることを体験してみたいから」
「90歳。子どもができてから長生きしたいと思うようになった。孫ができるだろうから、孫の成長も見たいと思う。それまでは健康で病気なく過ごしたい」
「80歳まで。36歳で産んだ子どもが、しっかり地に足をつけるところまで見届けたい」
「70歳 ちょうどいい年齢だと思う。海外旅行に行きたい」
「65歳。それほど体の不自由なく過ごせそうだから。それまで働いて旅行やライブ、スポーツ観戦を楽しみたい」
「50歳ぐらい。肌がたるんで醜くなり始める前に、精一杯人生を生きたい」
体力的な問題もあるのかもしれませんが、自分が何かをするというより、子供や孫の成長を見届けたいという声が圧倒的に多かったのが印象的でした。
ちなみに、今回のアンケードでの最高寿命は150歳でした。その方曰く「若くて元気でいられるなら生きたい」とのこと。
たしかに、いつまでも若くて元気なら何でもできることでしょう。ですが、現実的に老化は誰にもくいとめることはできません。また、先にあげたように、高齢化社会の問題も山積みです。なんだか、長生きも考えものだと言えそうです…。
しかし、だからこそ、人生はあっという間だと捉えてみるのもひとつではないでしょうか?そう考えることで、今やるべきことがクリアになり、人生を大切に生きることにつながるかもしれません。
(文/富士峰子)
【参考】
※平成25 年中における自殺の状況―――内閣府・警視庁
※日本人男性の平均寿命、初の80歳超え 女性も過去最高―――朝日新聞デジタル
【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ『簡単アンケート』
調査期間:2014年12月9日(火)
調査対象:全国30代~40代の女性100名