休みの日、ふと気づけば、丸一日インターネットをしていて、誰ともまともにしゃべっていなかった……なんて経験ありませんか?
実はそれ、ネット依存の症状のひとつなんです。
情報収集のみならず、音楽を聴くのも、人と交流するのも、ネットに便りきっている私たち。気づかないうちにネット依存になっている人、多いかもしれません。
事実、30代の男女300人にネット依存のアンケート調査をしてみたところ、なんと26%が経験していたことが判明! 4人に1人って、多いですよね。仲良しグループの中に1人はいるということです。
それでは、ネット依存って、どういうものなのでしょうか。寄せられたエピソードをもとに、5つの症状を詳しく見ていきましょう。
■1:親が死んでもネットサーフィン
依存対象は、SNS、オンラインゲーム、ブログやチャット、オークションなどさまざま。
しかし、いずれにしても、「一日中ゲームをしていた」「休みの日は丸一日パソコンの前で過ごす」など、ネット依存の人はどっぷり長時間ネットを続けるのが基本です。
「一日中ネットサーフィンをしていてもまだ物足りなく感じる」くらい中毒化するケースも珍しくはありません。
「寝るときとお風呂に入っているとき以外、ずっとパソコンをしている」「食事やトイレのときもスマホは離さない」という回答も寄せられました。まるで親が死んでもスマホは離さない勢いですね。
実は、一日の大半をネットに費やすというのは、かなりヘビーな依存症状。放っておくと、もっともっとネットがしたくなり、さらには幻聴・幻覚といった症状を招くこともあるのです。
■2:ネットを失ってパニック症状
ネット依存はアルコール依存症などと同じで、「対象物(ネット)のことをいつも考えてしまう」という症状が見られます。
それでネット依存の人は当然のように、「ネットが使えない生活なんて考えられません」と回答。
「パソコンが壊れたときにパニックになった」「ネットができないと情緒不安定になる」「自宅のネット回線の工事中は毎日ネットカフェに通った」というように、ネットから遮断されると途端に禁断症状があらわれます。
「仕事から帰ってくると、服を着替える前にパソコンを起動し、その間に服を着替えて、急いでパソコンの前に座る」など、1分1秒でもネットに接していたいと激しく渇望し、離れがたくなってしまうのも、ネット依存の特徴です。
■3:仕事よりネットを選んで破滅
中には、「子どもと遊ばすずっとネットをしていた」「勉強もせずにネット中毒になっている」など、ネット依存の人は本来すべきことがらよりネットを優先させます。
さらに、「会社で仕事を放りだしてネットを見ている」という声も聞かれました。それだけでもかなりな重症ですが、「ネットにハマって会社に行かず、解雇された」という驚きの回答も!
そもそも依存というのは、仕事や家庭生活などに支障をきたすほどハマってしまい、自己コントロールができない状態をいいます。
会社に行けなくなるほどハマるというのは、かなりの重篤。さらに依存がすすむとうつ病などを引き起こすこともあるので、早めに現実世界の楽しみを探しましょう。
■4:現実逃避のネットで生活困難
なぜそんなにもネットに依存してしまうのかというと、「気になって仕方がない」からというがひとつの要因です。
今回の調査でも、「オークションの経過が気になって、仕事中でもチェックしてしまう」「チャットやほかの人のブログが気になって仕方がない」という回答が複数寄せられました。
言わば、ネットに憑りつかれている状態。気になるからか夢中になってしまい、「ご飯を食べたあとはずーっとネット。気づいたら深夜2時になっていた」なんてこともザラに起きるわけです。
また、現実逃避が原因で、ネット依存になる人もいます。重症化すると治療には何年もかかるといいますから、たかがネットといえどもあなどれません。
■5:移動中のネットが危険サイン
あと、気になるからこそ「移動中は必ずスマホをチェック」「ちょっとでも時間があるとすぐに携帯を見てしまう」という行動を取ってしまうのも、ネット依存の特徴です。
でも、移動中のスマホチェックって、普通にやっていませんか? もし心当たりがあるなら、あなたも依存傾向にあるのかも!?
ネット依存の人にしても、はじめからどっぷりハマっているわけではありません。
「少しだけのつもりが何時間もネットをしていた」「気づいたら長時間経っていた」という経過を経て、次第にネットと接する時間が増え、日課になっていきます。
すると、「ネットをしていないと落ち着かない」という依存状態に陥っていきます。そして、どんどん悪化すると、恐ろしいことに自殺や殺人の衝動に駆られるといった最悪のレベルにまで達してしまうのです……。
こうして見てみると、ネット依存って立派な病気だということがわかりますよね。ただし、依存症状に陥ってしまった場合でも、早期に気づけば、比較的簡単に現実に引き戻すことができます。
ネットを楽しむのはいいのですが、人生を狂わせるほどの弊害もある。そのことをしっかり踏まえ、自己コントロールしながら上手につきあっていきましょう。
(文/虫本ハギー)
【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ『簡単アンケート』
調査期間:2015年2月25日(水)
調査対象:全国30代の男女300名