みなさんご存知のように、日本の学校では、4月1日生まれの人は“1つ上の学年”に入れさせられますよね。4月2日生まれの人が“一番早い誕生日”となります。これ、「なんで?」と思ったことありませんか?
その理由ですが、実は日本の法律(年齢計算ニ関スル法律)で、「誕生日の前日に年を1つ取る」と決められているからなんです。つまり、私たちは誕生日に年を取るのでなく、誕生日の前日に年を取っているんです!
■この法律で19歳でも選挙はできる!
例えば、選挙。選挙権が与えられるのは20歳からですが、選挙の日がちょうど“19歳最後の日(=明日が20歳の誕生日)”という人は、すでに誕生日前日に年を取っているとされるので、投票券がキチンと送られてきます。
「あれ、まだ私19歳なのに、投票できるの?」と思うでしょうけど、もうあなたは20歳なのです。
誕生日の前日に年を取るのですから、4月1日生まれの人は“3月31日”に年を取っています。だから、前の学年の人となるわけです。
そして、4月2日生まれの人は4月1日に年を取るので、学年で一番早い誕生日の人になります。ちょっとしたマジックみたいで混乱しそうですよね。
■この法律は国会でも問題視された!
この“誕生日前日に年を取る”ことが2002年に国会で問題になったことがあります。「国民の大勢が、誕生日に年を取ると思っていて、誕生日前日に年を取るなんて知らないじゃないか」というもっともな質問がされたことがあります。
その時の政府(小泉政権)の答弁は「大丈夫、誕生日前日に年を取るのは、多くの国民の常識と一緒」という趣旨のものでした。
うっそ~!
「そんなにみんなに知られてはないよ。常識じゃないよ」と思いますが、誕生日に年を取ることにすると、色々制度を変えなければいけないので、こんな曖昧な答弁をされ、うやむやのまま終わっています。
以上が、4月1日でなく、4月2日から新学年になる理由でした。世の中には、まだまだ私の知らない数字に関する謎が隠されているとことでしょう。読者のみなさんと一つ一つ発掘できればと思っています。
(文/シール坊)