『20代・30代で知っておきたい これからかかるお金で困らない本』(岡崎充輝著、日本実業出版社)は、住宅、生命保険、教育、自動車など、将来的に必要になってくるお金についての考え方・貯め方を紹介した書籍。
将来かかるであろうお金については、なかなかイメージしづらいもの。あるいは、わかってはいても、あえて直視したくないものではないかと思います。が、現実的にはそこをきちんと見きわめておかないと、あとあと面倒なことになるはず。
そこに、本書の意味があるわけです。第4章「『使途不明金』を減らす」から、いくつかの要点を拾ってみましょう。
◼1:使途不明金を探す
大切なのは、将来的にお金︎に困らないこと。そのために必要なのは、当然のことながら貯蓄。といっても、「貯蓄するにしても、財源がない」という人はいるはず。
そこで、「埋蔵金の発掘方法」が重要な意味を持ってくるというわけです。「そんなものはない!」と思いがちですが、よほど神経質に細かく家計管理をしない限り、必ず「埋蔵金」、すなわち「使途不明金」はあるのだとか。
◼︎2:家計簿で使途不明金の額を把握する
使途不明金をゼロにするために重要な意味を持つのが、家計簿だそうです。そして、ここで考えたいのが、会社で使途不明金がほとんど発生しないという事実。つまり会社では帳簿をつけているので、使途不明金が出ない。
それを家計に置き換えれば、家計簿になるということです。とはいえ、難しく考える必要はなし。
・家計簿でチェックしたいこと
(1)いくらお金を持っていたのか
(2)今日どれだけお金を使ったのか?(わかる範囲で)
(3)いくらお金が残っているのか?
(4)使途不明金はいくらなのか?
これがわかれば充分だそうです。
◼︎3:クレジットカード払いをやめる
使途不明金を減らすにあたり、もっとも危険なのが、食料品や日用品の買い物にクレジットカードを利用すること。
現金で買うなら、いま財布に入っているお金を使わなければなりません。しかしクレジットカード払いなら、財布にお金がなくても買いものができる。
今月の収入では支払えない金額の買いものでも、平気でできてしまう。だから、家計の実態とかけ離れた買いものをしてしまうわけです。しかしそれだと、「クレジットカード払い症候群」になっても当然。
どうしてもクレジットカードを利用したいなら、クレジットカードで利用した分のお金を、引き落とし口座にそのつど入金するのがいいそうです。(173ページより)
そして、いちばん簡単な家計管理法、それは「予算管理法」。予算を決め、それ以上は使わないということ。逆にいえば、予算の範囲内であれば、いくら使ってもかまわないわけです。
あまりにも簡単ですが、これが効果的なのだそうです。
シンプルなことをシンプルに実践する。それが、お金を貯めるには重要なのかもしれません。
(文/印南敦史)
【参考】
※岡崎充輝(2015)『20代・30代で知っておきたい これからかかるお金で困らない本』日本実業出版社