景気が回復傾向にある、という話も聞かれますが、まだまだ就職難が続く日本。でも、就職が大変なのは日本だけじゃないんです。
最近では、イギリスでも名門校を卒業しただけでは就職できないことも増えています。今、最も就職に強い大学はどこ?
『Complete university guide’s』より、イギリスの大学の卒業後の展望ランキングを紹介します。
このランキングでは、入試の難しさなどで出された総合ランキングの他に、卒業生のその後の展望に注目した順位が付けられています。
イギリスは日本と違い、卒業が9月、入社が翌年4月という場合がほとんどです。そのため、ここでは2013年の卒業後6ヵ月以内の就職率とともに紹介します。
■10位:サリー大学・・・6ヵ月以内就職率81.2%(総合ランキング8位)
来年創立50年を迎えるサリー大学は、イギリスを代表する大学のひとつとして有名です。
大学のメインキャンパス以外でも、専門の技術を学ぶ機会を提供しており、職業訓練科目や国外への留学も単位として認めています。こうした動きにより、最近就職率を急激に伸ばしています。
■9位:ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン・・・6ヵ月以内就職率81.3%(総合ランキング10位)
データによると、この大学の卒業生は、国内平均の66%と大きく差をつけた86%が大卒レベルの職場に就職しています。
初任給の平均年収も2,4572ポンド(約450万円)と高く、これは国内平均より20%も高い数字です。
大学では、2013年から2014年にかけて、キャリアサービスの一環として、様々な企業から総勢896人を呼んだネットワーキングイベントも行っています。
こうした場での人脈作りが高い就職率に結びついているようです。
■8位:カーディフ大学・・・6ヵ月以内就職率81.5%(総合ランキング31位)
この大学の2013年の卒業生は、81.5%が卒業後6ヵ月以内に就職、あるいは大学院へ進学しています。
カーディフ大学はジャーナリズムが有名な大学で、テレビに出演しているような多くの著名人を輩出している隠れた名門校です。
■7位:オックスフォード大学・・・6ヵ月以内就職率81.9%(総合ランキング2位)
総合ランキングで2位だったオックスフォード大学は、卒業後の展望では7位にランクイン。
しかし、言わずと知れたオックスフォード大学、なんといっても26人ものイギリス首相を輩出しているブランド力は、まだまだ衰えていません。
■6位:ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・・・6ヵ月以内就職率83%(総合ランキング3位)
ロンドンの大学が4つ目のトップ10入り。国籍が多様で、およそ200ほどの国から学生が集まっているのが特徴です。
卒業生の初任給の平均年収は、国内平均より9,000ポンド(約160万円)高く、その後の平均年収も29,000ポンド(約530万円)と高い水準となっています。
■5位:バーミンガム大学・・・6ヵ月以内就職率84%(総合ランキング18位)
バーミンガム大学は医療と経済関係の学部が有名。
今回のランキングのための調査によると、この大学の生物科学部は、就職率の高さで全国2位だったのだとか。やはりバイオテクノロジーの分野は将来有望なようです。
■4位:バース大学・・・6ヵ月以内就職率85.1%(総合ランキング12位)
バース大学は学生の満足度が2年連続1位の大学。
これは就職率にも影響しており、卒業後の就職率は85%と高く、就職先もトップレベルの企業が多くなっています。やはり学生の満足度は嘘をつきません。
■3位:ケンブリッジ大学・・・6ヵ月以内就職率88.3%(総合ランキング1位)
総合ランキングでは1位だったケンブリッジ大学は、卒業後の展望ランキングでは3位という結果になりました。
ニュートンやダーウィンといった世界的に有名な研究者を輩出している超名門校です。特に生物化学と数学の学部が有名で、なんと90人ものノーベル賞受賞者を輩出しています。
ケンブリッジの名前は伊達ではありません。
■2位:ロンドン・セイント・ジョージズ大学・・・6ヵ月以内就職率89.4%(総合ランキング44位)
以外なロンドンの医療専門の大学が2位にランクイン。イギリスの大学で唯一病院と提携している大学です。
医学部の卒業後6ヵ月以内の就職率はなんと100%。さすが医療系は仕事に困りません。
■1位:インペリアル・カレッジ・ロンドン・・・6ヵ月以内就職率89.9%(総合ランキング4位)
科学、工学、そして数学の分野に特化した大学です。
土木工学部の卒業生は国内外で建築分野で活躍しています。最近では中国の三峡ダム、ロンドンで新しくなったウェンブリー・スタジアム、南極大陸の調査基地などの建設プロジェクトに参加しています。
コンピューター工学もあのマイクロソフト社やIBMなどとのつながりが強いです。
工学系も今後注目の学部です。世界的に、理系の学部が就職に有利になっているんですね。日本で大学進学する人も、今後の就職まで考えた大学選びをする上で、参考にしてみてください!
(文/和洲太郎)
【参考】