35%が反対!死刑制度について改めて考えさせられる「7つの話」

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2015.05.23

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みなさんは、死刑が必要だと思いますか?

実は、アメリカの最東北部にあるメイン州には”死刑制度”がありません。一体なぜだと思いますか? これには、メイン州で起きたある悲劇が関係しています。

今回はその悲劇と一緒に、死刑制度について改めて考えさせられる7つの話を『BDN Maine』を参考にご紹介します。

■1:あまりにも残酷な死刑が過去に行われている

悲劇は、1885年メイン州で行われた最後の死刑の時に起きました。このとき刑を受けたのはダニエル・ウィルキンソンという男性。

当時メイン州では絞殺によって死刑が行われていたのですが、そのときウィルキンソンに使われた縄は十分に結ばれていませんでした。

結果、彼は何千もの観衆の前で苦しみながらゆっくりと殺されることに……。人が苦しむ姿は誰だって見たくないものですよね。このときの観衆のショックは計り知れないものでした。

しかし、この悲劇がきっかけとなり、メイン州議会では死刑廃止の動きが強まります。そして翌々年の1887年、死刑制度はついにメイン州から廃止されることになりました。

現在アメリカにある50州のうち文面上死刑制度を設けている州は全部で32州。

しかしその中でも死刑制度に大多数の人が賛成している州は、カリフォルニア、フロリダ、テキサス、ペンシルバニア、アラバマのたった5つの州だけです。

■2:世論は死刑制度に否定的になりつつある

アメリカ国民の多くは死刑制度を支持していますが、その支持数はここ40年でどんどん低くなっています。

ピュー研究所によれば、56%の人が殺人犯へ死刑を求刑することについて賛成、38%の人が反対と回答。

ただ、ここのところ民主党員や女性たちの間で意見が大きく変化しつつあり、中立な立場にいる人や死刑制度に賛成の立場をとっている共和党員の数もゆっくりとですが減りつつあるようです。

■3:無実の人が死刑を受ける可能性がある

死刑制度に賛成している人でさえ、「死刑制度にはリスクがある」と答えています。そのリスクとは、無実な人が死刑を受けてしまうこと。

ピュー研究所の国内調査によれば、「死刑を言い渡された無実な人に対し、彼らを守る手立てが十分に整備されている」と答えた人はたったの26%しかいませんでした。

さらに、米国科学アカデミー紀要の2014年の調査によれば、もし仮に全ての死刑判決受けている囚人が終身刑のままであれば、少なくともその中の4.1%の人が無実の罪を晴らすことができるかもしれないとしています。

もし、罪のない人の命を奪うことになったら……? 考えるだけでゾッとしますよね。

■4:35%は死刑制度で犯罪が止まると思っている

死刑の議論で必ず話題に上がるのが、「死刑は犯罪を止める抑止力になりうるのか?」という話です。

これについて先ほどのピュー研究所の調査を見てみると、アメリカ国民の35%の人が「死刑制度は犯罪抑止になる」と答え、61%の人が「抑止にならない」と答えています。

しかしながら、これについて現存する研究を調べてみたところ、死刑制度によって犯罪が抑止されるかどうかについてはまだ答えが出せないというのが現状のようです。

ただ犯罪の抑止力について明らかになっていることがあるとすれば、それは犯罪者自身が「確実に捕まってしまうだろう」と感じたとき、警察はただそこにいるだけで犯罪行動を止められる、ということだけです。

■5:死刑制度には多くのコストがかかっている

実は終身刑の囚人より死刑囚を管理する方が多くのコストがかかるのだそうです。これについてシアトル大学の研究を紹介します。

この研究によれば、死刑執行までにかかるコスト(拘置や裁判での判決といった管理に関するコストから警察にかかったコストまで含めたもの)よりも、死刑を求刑しない時のコストの方が安いのだそうです。

さらに実証実験により明らかになったことは、死刑囚を管理するコストの方が一般の囚人を管理するコストよりも平均して高いということ。

これは囚人と職員の数における比率の問題で、死刑囚の場合より高いレベルのセキュリティが必要となり、幽閉場所も一般囚人とは別にしなければなりません。

そのため、より人件費がかさみコストが高くなるのだそうです。

■6:人種によって形に偏りがある

死刑を宣告された人々の間では、なんと人種によってその刑に偏りがあるのだそうです。根拠として、このことについて議論した自由権規約人権委員会のレポートをご紹介しましょう。

少しおおざっぱですがそのレポートの内容をまとめると、殺人の犠牲者になるという点では黒人も白人もその数に大きな偏りはないのですが、死刑を宣告される場合を見てみるとその80%近くは白人を手にかけた場合なのだそうです。

■7:問題のある死刑が行われている

死刑を執り行う際、問題が起きることはないのでしょうか。

イギリスのアメリカ法学研究誌の調べによれば、1900年~2011年までにアメリカで施行された死刑約9,000件のうちで270件もの死刑が(つまり全体の3%もの死刑が)死刑に関する議定書から逸脱して行われています。

そして、その行使に極めて問題があったこともわかっています。

さらにアメリカの『The Daily Beast』は、致死薬注射による死刑は19世紀から行われてきた他のどの方法よりも高い確率で(約7%の確率で)執り行う最中に問題が起きると伝えています。

以上、死刑にまつわる7つの話でした。現在日本では死刑が行われていますが、果たして死刑は廃止すべきものなのでしょうか? ぜひこの機会に死刑制度について考えてみませんか。

(文/和洲太郎)

 

【参考】

American Support for Death Penalty Declining, Especially Among Democrats-Pew Research Center

Most Americans See ‘Some Risk’ an Innocent Person Will Be Executed-Pew Research Center

Rate of false conviction of criminal defendants who are sentenced to death-PNAS

Five Things About Deterrence-The National Institute of Justice

The Economic Costs of Seeking the Death Penalty-Seattle University School of Law

Three percent of US executions since 1900 were botched, study finds-ScienceDaily

Lethal Injection Leads to the Most Botched Executions-The Daily Beast

7 things you should know about the death penalty-BDN Maine

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