みんなで何かやるのと「1人でやる」を比べてわかった人間の本質

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2015.06.03

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かつてビートたけしさんは、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と言って一世を風靡しました。

たしかに、「みんなでやっている」というものは時に免罪符になってしまうことがあります。集団心理って怖いですね。

ところで人は、どういう状況で自分の行動に責任を持つのでしょう。逆の言葉で言えば、どういう状況だと自分の行動に責任を持たなくなるのでしょう。

今回は、この心理状況にまつわる数字をお伝えします。

■8人いると1人の時の半分以下しか力を出さない

責任を持つ行動を調べた有名な実験に、心理学者リンゲルマンが行った“綱引き実験”があります。

調べ方は簡単。綱引きを行う人数によって、どのくらい個人は自分の力を出すかを調べたんです。結果は、ずばり“8人で半分程度の力”でした。

1人で綱引きをした時の力を100とすると、2人だと93、3人では85……と徐々に下がっていき、8人になるとついに49と半分を切りました。みんなでやれば、1+1は2でなくて、相乗効果で3にも4にもなるという話があります。

しかし、数字は残酷で、むしろみんなでやればやるほど「自分はやらなくてもバレない」という心理が働き、こうしたことが起きます。

これは、社会的手抜きと言われる現象です。8人といえば、普通にありそうな人数ですよね。

仕事でのグループ・会議など。もし、何かをみんなで一緒にする時には「8人になったら、1人1人の責任感は実は半分」と冷静に心の中で思っていてもいいかもしれません。

49というのも、あくまで平均で、たとえばある人は74で、別の人は24(この2人で平均49)かもしれません。

■ブレストよりも1人で企画を考える方が効果的!

社会的手抜きは何も、綱引きのような力作業だけではありません。

例えば、ブレインストーミングといわれる手法があります。集団でアイディアを出す手法として「どんなアイディアでも否定しない、できるだけ沢山のアイディアを出す」というもの。

実はこうしたアイディア出しなどの頭脳労働でも、みんなでやるよりも1人でやった方が創造的かつ数が出ることが実験で確かめられています。

とはいえ、みんなで何かやるのは素晴らしいことですし、筆者も大好きです。チームワークを熟成するにはとてもいい機会でしょう。

でも、その裏側にこうした心理が働くことを大人は忘れてはいけない……。そんなことを改めて実感してしまう心理学的な数字のお話しでした。

(文/シール坊)

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