夜更かしは絶対ダメ!睡眠不足が子供のIQを下げる驚くべき理由

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2015.06.04

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いま、テレビやゲーム、パソコン、そしてスマホと、たくさんの誘惑が、子ども達の睡眠を妨げています。そのことにやきもきしているママたちも多いのでは?

そんな中、子どもの睡眠が低下するとIQが下がる、というショッキングな調査結果がカナダで発表され、世界のママたちに衝撃が走っています。科学ニュースサイト『ScienceDaily』を参考に、詳細を見ていきましょう。

■脳波の乱れがIQを下げる!

このほどカナダ・モントリオール大学の研究チームが子どもたちを対象に行った研究で、睡眠不足などで睡眠の質が低下すると、いわゆる“IQ”知能テストの成績が低くなる傾向が見られる、ということが分かりました。

調査は、13人の自閉症を持つ子どもと、発達過程に問題を持たない13人の子ども(平均年齢10歳で、知能程度や睡眠状態に問題を持たず、投薬中でもない子ども)を対象に実施。

これによって、睡眠中の脳波の乱れが、IQテストの結果を悪くすることが明らかになったのです。

■IQアップのカギはレム睡眠

その前に、まず眠っているあいだに何が起こっているのかを確認しておきましょう。正常な睡眠とは、体の代謝がペースダウンし、浅い眠りと深い眠りを規則的に繰り返している状態です。

浅い眠りは“レム睡眠”と呼ばれます。“レム”とは“眼球が動いている状態”という意味の英語の頭文字を取った言葉で、文字通りまぶたの下で眼球が細かく動いています。

このレム睡眠のあいだは、体は眠っていても脳は活動していて、記憶の整理と定着の作業をしています。

一方、深い眠りは“ノンレム睡眠”と呼ばれ、体だけでなく脳も休んでいる状態です。

そして、少し専門的な話になりますが、脳が活動しているレム睡眠のあいだ、脳波には“睡眠スピンドル”と呼ばれる特殊な波形が見られます。

質のよい睡眠ができていると、このレム睡眠とノンレム睡眠が規則正しく訪れ、安定した睡眠スピンドルの波長が確認できるというわけです。

そして今回の調査では、睡眠中この睡眠スピンドルの波形が多く観察されるほど、子どもたちの知能テストの成績がよいことが証明されたのです。

この結果について、モントリオール大学の睡眠の専門家で、今回の調査を指揮したロジャー・ゴッドバウト教授はこう説明します。

「この結果は、認識能力に睡眠が大きな役割を果たしている、ということを証明しています。なかでも、成長の過程にいる子どもや若者にとっては、睡眠不足は脳の発達にとくに大きな影響を与える深刻な問題なのです」

ゴッドバウト教授によると、カナダでは子どもの10~25%、自閉症児の45~85%が睡眠に問題を抱えています。

■子どもの能力開花の可能性も

この、睡眠と認識能力のあいだの関係性は、調査が行われた自閉症の子ども達のグループと、そうした問題を抱えていない子ども達のグループ両方に共通して見られました。

しかし脳波の波形と、どんな認識能力が影響を受けているかについては両グループで違いがあることも判明したのです。

これは、自閉症の子ども達の脳は、一般的な子ども達と違う領域が発達していることを示しています。このことについてゴッドバウト教授はこう考えています。

「この結果は、自閉症を患う人々に希望を与えるものです。睡眠の質を高めることが、自閉症を患う人にとっては新たな能力を開花させる可能性を持っているのです」

自閉症患者には、並はずれた記憶力を持っている人や、ジグソーパズルをあっという間に仕上げてしまう人、美しい絵画や音楽を生み出す力を持っている人など、天才的な能力を持っている人が多く存在します。

こうした能力も、睡眠の質と深くかかわっているのかもしれません。いつの日か、睡眠と脳波の研究はこうした特殊な能力の源泉を突き止めるかも……。

ともあれ、睡眠が知能とそんなに深いかかわりを持っていたとは驚きですよね。まさに“寝る子は育つ”。わが子のまだ見ぬ能力開花のため、きょうから早寝早起きを実践しましょう!

(文/よりみちこ)

 

【参考】

Sleep quality influences cognitive performance of autistic, neurotypical children―ScienceDaily

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