タンパク質は100g摂取!体調の回復が早くなる栄養補給の仕方

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2015.06.08

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みなさん、はじめまして。サイエンスライターの丸山篤史です。

これから、いざというときに役立つ情報やちょっとした会話に使える小ネタをご紹介していきます。よろしくお願いしますね。第一回目の今回は、科学的な目線から体調の回復方法をお伝えします。

■風邪のときに大事なのは病院・睡眠・栄養補給

梅雨を越えると、楽しいイベント満載の季節・夏がやってきます!

でも、ここ最近、少し気になることがあるのです。それは、夏風邪の流行。実は、昨年の暮れぐらいから、子供も大人も、喉風邪の流行が続いているのです。

「なんか喉が、イガラっぽいなぁ」「咳が止まらないなぁ」と思ったら、早めに病院を受診してください。

抗生物質は、病院でないと貰えません。ごまかしながら先延ばしにすると、ヒドイ目にあってしまいます(かくいう僕が、そうでした……涙)。

風邪をひいてしまったら、病院でお薬をもらって、安静にするに限ります。「早く治さなきゃ!」と焦る気持ちもわかりますが、ここはグっとこらえて、冷静に完治させましょう。

そのために必要なものは、何より、安らかな睡眠と、正しい栄養補給です。そこで、このコラムでは、いち早く体調を回復させるための栄養補給について、ポイントを2つご説明します。

といっても、巷でよくある「これさえ飲めば、大丈夫!」みたいな健康食品のCMではありません。あくまで科学目線なので、地味に思われるかもしれません。

でも、ちょっと気をつけるだけで回復に差が出るなら、試してみる価値はあると思いますよ。

■早く体調を回復させる栄養補給のポイント2

(1)糖分とタンパク質を消化のいい食べ方でいただくこと

まずは、基本的かもしれませんが、糖質&たんぱく質の摂取です。現代人は平熱が下がっていることもあって、少し熱が上がると、とたんに身体がだるくなってしまいますよね。

とくに、日常的にダイエットしている女性は、基礎代謝(安静にしているときのエネルギー消費量)の低下していることが多いので、余計に辛いと思います。

でも、熱が上がるのは、免疫が風邪と戦っている証拠です。これは応援しなくてはいけません。

熱を作るために一番必要な栄養素は、何と言っても糖分(炭水化物)です。そして免疫が戦うために使う武器は、酵素(タンパク質)なので、タンパク質を食べないといけません。

とはいえ、「そんなこと言われても、食欲なんて無いわ……」と思いますよね?

わかります、その気持ち! でも、仕方ないのです。なぜなら、風邪の菌と戦うために、消化に必要な栄養素を使い回しているのです。

つまり、胃腸に余裕が無い、ということ。胃腸を動かすには糖分が必要だし、食べ物を消化する酵素はタンパク質!

そう、風邪をひいて熱を出しているとき、あなたは身を削って戦っているのです! だから、後方支援しないと、風邪との戦いに負けてしまいます。ここは、頑張って栄養補給しましょう。

でも、栄養補給となると「胃腸に余裕がないんでしょう?」ってなりますよね。

この点も大丈夫です。消化を良くして食べましょう。消化を良くするには、油脂を避け、かんだり、飲み込んだりしやすいように、食材を細かく柔らかくしてください。

まぁ、食欲の無いときに、油ものなど食べられたものではないと思いますが……。

具体的には、炭水化物を中心に、意識してタンパク質を多めに食べましょう。大人は、1日に体重1kgあたり1.5~2.0gのタンパク質を目安にしますから、体重50kgの人なら100gは取りたいところ。

全カロリーとしては、いつもより1割り増しで食べた方がいいですね。体温と一緒に基礎代謝も上がっていますから、体重計を気にすることはありませんよ!

タンパク質を取るためのオススメ食材は、卵、豆腐、鶏ササミ(ミンチが使いやすいかも)、ノンオイルのツナ缶です。ちょっと意外かもしれませんが、生ハムもオススメです(お粥かリゾット風にして!)。

塩分が高いので、その分の味付けを調整してくださいね。こうした高タンパク質・低油脂の食材は、ダイエットのときも、お酒を良く飲む人にも(僕のことです)、普段から使えますよ!

(2)水分、ミネラル、ビタミンもしっかりと補給すること

健康なときでも私たちは、寝ている間に、体温調節のため、一晩でコップ2杯の汗をかきます。

当然、熱が上がって、普段より代謝の激しくなった身体は、もっともっと汗をかきます。ですから、風邪をひいたときは、マメに水分を補給しましょう。

基本的には、暑い季節の熱射病対策と同じです。そうそう! 水分と一緒に、ミネラル(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)も補給してくださいね。

ミネラルは、汗と一緒に出て行きます。よく誤解されますが、脱水症状は、水が足りないだけではなく、血中に電解質(ミネラル)が不足することから起きるのです。

普段は糖分が心配になりますが、気にせずスポーツドリンクで補水するのが、風邪のときには一番簡単です。

風邪を引いているときは、ビタミンも不足しがちです。特にビタミンA・B1・Cを積極的に取りましょう。中でも、B1は、糖質からエネルギーを作るときに絶対必要です。

普段、女性はビタミンB1を1日に0.8mg取るように言われますが、風邪を引いているときは、少し多めがいいでしょう。

B1は水に溶けるビタミンなので、少々多めに取っても問題ありません(すぐに身体から出て行きます)。むしろ、不足しがちなので、普段から激しい運動をする人も、多めに、かつコンスタントに取るほうがいいですよ。

ビタミンAは、免疫が正常に働くために必要ですし、ビタミンCは、いわゆる抗酸化剤(酸化を防ぐ)です。どちらも、風邪と戦うには必須です。

風邪のときには食事でビタミンを全て補うのは難しいと思います。アッサリと、サプリメントに頼るのが楽ですね。ただでさえ胃腸が弱っているときに、野菜から取ることにこだわって消化不良を起こしたら、風邪が長引くだけですからね(笑)

いかがでしょうか? 仕事に勉強に、そして遊びに飛び回るみなさん。もし体調を崩したとしても、これで安心です。思い切り、毎日を楽しんでください。もちろん、夏風邪なんて、ひかないに越したことはないのですけど、ね。

(文/サイエンスライター・丸山篤史)

 

【参考】

後藤昌義・瀧下修一(2014)『新しい臨床栄養学改訂第6版』南江堂

栄養士・管理栄養士を目指す学生が勉強に使う、ロングセラーの教科書(読み物ではない)。マメに改定されていて、常に新しい知見が加わっているところが良い。

拙著の宣伝になりますが(苦笑)、以下の本もどうぞ。

竹内薫・丸山篤史(2013)『なんでもカロリー計算』PHP研究所

カロリーの本質について科学的な話に触れながらも愉快に読めるカロリー本の決定版。「パソコンのワンクリックは何カロリー?」「フィギュアスケート三回転半ジャンプは何カロリー?」から始まり、宇宙の事象までカロリー計算。カロリーで世界の見方がガラリと変わる本。

竹内薫・丸山篤史(2015)『99.996%はスルー 進化と脳の情報学』講談社

情報に溢れている現代社会。うまく情報をスルーしつつも、自分はスルーされたくない! そんなアナタのためのヒントがつかめるかもしれない本。

竹内薫・丸山篤史(2015)『老化に効く!科学』ベストセラーズ

ハウツー本とも教科書とも違う語り口で、物理学・医学・生物学、さらには哲学から、老化を理解するための本。巷のニュースで出てきた、老化のあんな話や、こんな話も、この本を読んでいれば分かります。

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