腹八分目より「腹七分目」が長生きできるかもしれない医学的な理由

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2015.06.13

rouka22

体に悪いと思っていても、お腹いっぱい食べてしまうことってありますよね。でも、健康のためには腹八分目で抑えておくのがいちばん! 日本人の常識中の常識です。

ところが、その常識とはちょっと違う説が書かれているのが、今日ご紹介する『老化に効く!科学』(竹内薫・丸山篤志著 ベストセラーズ)という本です。

なんとこの本によると、「腹八分目ならぬ腹七分目こそが本当に長生きできる」というのです(ただし、これにはトリックがあります)。

生物学的にもカロリーを制限すると寿命が延びるという説があるとも書かれています。ちなみにカロリーを減らしても他の栄養素を減らすのはNGです。

腹八分目でもつらいのに、腹七分目なんて耐えられないというあなた。腹七分目が長生きにいい理由、早速、見ていきましょう。

■1: 性の成熟が遅れるから

1つめの理由として、性成熟が遅れることが挙げられます。そもそも体が飢餓状態だと、子孫を残している場合ではありません。著者によると、身体のピークは性成熟まで。

生物が生まれて、成長して、子どもを作って、老化して死ぬ、という一連の作業は寿命が長くても短くても変わりません。

だから飢餓状態だと、性成熟が遅れます。性成熟が遅れるということは、なかなか大人にならないということ。そして、なかなか大人にならないから、結果として寿命が長くなるのだそうです。

■2:活性酸素の影響が減るから

2つめの理由としては、カロリー制限すると当然ながら基礎代謝が落ちます。その基礎代謝が低くなることによって、活性酸素の量が減って細胞が傷つかないということです。

老化の原因が活性酸素にあるという説で考えれば、栄養を抑えると、結果的に、細胞に対する活性酸素の悪い影響が少なくなるため、老化が遅くなる、という理屈になります。

また、細胞分裂の回数も少なくなるので、細胞がガンになる頻度も下がるでしょう。

いかがでしたか? 読んでみると、なるほど、そんな気がしますよね。

さて、ここでトリックの種明かし。実は、栄養を抑えて長生きするには、産まれてすぐに始めないといけないのです。つまり、大人になってから始めても遅い、というわけです。

むし ろ、必要以上にカロリーオフすると身体に悪いので、体格と年齢に合わせて必要なだけ食べてくださいね。

この本『老化に効く!科学』には、他にも、いろいろな角度から老化にアプローチしています。ご心配なく、文系のあなたも大丈夫!

『サイエンスZERO』(NHK  Eテレ)のナビゲーターとして活躍する竹内薫と医学博士の丸山篤史の2人の著者が、掛け合いを交えながら、親しみやすい文章で、時にはユーモラスに科学の世界へ誘ってくれます。

これから来るであろう老化に果敢に立ち向かうために、ぜひ手にとって読んでみてくださいね。

(文/猫野うた)

 

【参考】

竹内薫・丸山篤史(2015)『老化に効く!科学』ベストセラーズ

ハウツー本とも教科書とも違う語り口で、物理学・医学・生物学、さらには哲学から、老化を理解するための本。巷のニュースで出てきた、老化のあんな話や、こんな話も、この本を読んでいれば分かります。

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