生活のあらゆる場面で使う、“+(プラス)”と“−(マイナス)”の記号。
算数でも、いわゆる数字の1、2、3、4、5……の次くらいにすぐ習います。小学1年生でも、足し算・引き算はやりますよね。最近では幼児教育が盛んなので、幼稚園から教えるところもあるそうです。
でも、この+(プラス)と−(マイナス)の起源について考えたことはありますか? 「なんで、あんな変な形なのかな?」と……。学校では教えてくれなかったですよね。
実はこれにはいくつか説があるのですが、有力なのが“人々がお酒の量を記していた”というもの。今回はこの説について、詳しくお話ししましょう。
■−(マイナス)の起源は酒量ラインだった!
まずは、-(マイナス)記号の起源から。これは、ずばり樽の中にあるお酒の量を管理する線でした。
最初に、「樽の中のここまでお酒が入っています」ということで横線を引きました。樽に入っているのが液体なので、まっすぐ“横”なんですね。
しかし、お酒ですから、飲むうちに減っていきます。その都度、「ここまで無くなりました、いまここです」の目安として最初の線の下に“横線”を引くことになりますよね。
なんと、それが次第に−(マイナス)になったというのです。「ここまで減った」ということを示す印だったので、-(マイナス)という記号の意味とも合っています。
■+(プラス)の起源は旧ライン区別のため
とはいえ、樽のお酒は飲んで減る一方ではありません。時には、新しく買い足して増えたでしょう。
その時に、たとえば「増えてここまでになりました」と再度横線を引いたら、減ったのか・増えたのかが一見分からなくなります。
そこで、区別するため、下の横線に縦線を入れて「今はこの線じゃないよ、増やしたから」という記号にしました。これが、+(プラス)の起源です。
つまり、マイナスが最初で、それを打ち消すのがプラスだったのですね。ただ、+(プラス)と−(マイナス)の起源については、これ以外にもいくつか説があります。
お酒管理説とほとんど同じものだと、“船乗りが樽で管理していた飲料水の印”説とかアルファベットを急いで書いていたらいつの間にかできた“アルファベット早書き”説など。
いずれにせよ、生活の中で自然に+(プラス)や−(マイナス)は生まれたものです。これからも、末永くお酒にもこれらの記号にも、私たちはつきあっていくことでしょう。
(文/シール坊)