人生の99%を支配する厄介な「思い込み」とうまくつきあう方法

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2015.06.22

suzie.20150622

きょうご紹介したいのは、人生をよりよくするための考え方を説いた『人生の99%は思い込み―――支配された人生から脱却するための心理学』(鈴木敏昭著、ダイヤモンド社)。

著者は、「思い込み」について20年以上研究してきたという心理学者。そのベースになっているのは、「社会の“常識”も自分自身の“性格”も、この世の99%は思い込みでできている」という考え方です。

だからこそ思い込みを上手に利用し、より快適に生きようと提案しているわけです。第2章「人生脚本は多くの『思い込み』でできている」から、「思い込みを生み出す『認知バイアス』に気をつけろ」を見てみましょう。

■“認知バイアス”とは?

思い込みは、あらゆる“認知バイアス”によってつくられるもの。人間である以上、心に偏りが生まれるのは仕方がないけれども、どういう認知バイアスがあるのかを把握しておくことは大切だといいます。

そこでここでは、主となる4つのバイアスを紹介しています。

■主な認知バイアス4つ

(1)決めつけ思考

「スキーマ」という心理学用語は、心の枠組みを意味するもの。著者がそのことに触れているのは、世の中が偏見に満ちているから。

たとえば、髪を金髪に染め、派手なメイクをし、派手は服を着ている女性が子どもを連れて歩いている姿を見て「ヤンママだ」「ちゃんと子育てをしていなそう」などと決めつけてしまいがちなのがその一例。

こうしたレッテル貼りは、無意識のうちにやっているもの。レッテルを貼った方が、楽に理解しやすいからだといいます。

(2)欲望

男性が、肌を露出して歩く女性に見とれてしまうのは、それが本能だから。異性に対する欲望という思い込みが、見とれるという行為を生むのだそうです。

欲望というのは、根源的なある種のバイアスだという考え方。

「本能の赴くままに」という表現には、考える前に行動しているようなイメージがありますが、実際にはこうしたバイアスが作用しているというわけです。

(3)感情

うれしい、楽しい、苦しい、怖いといった感情もストレスを生むもの。感情によって、認知の仕方は変わるということです。

他人の成功を見たとき、自分の調子がよければ「おめでとう!」と素直に喜べます。しかし、不調のときは嫉妬してしまう。

このようなことを“気分一致効果”というのだそうです。気分がいいときはいい情報を、よくないときは悪い情報ばかりを集めてしまい、ものごとのとらえ方が気分によって変化する現象のこと。

(4)自己意識

「私って●●じゃないですか」と自己評価する人がいます。心理学では、自己評価など自分自身に意識を向けて認識することを“自己意識”と呼ぶそうです。

自己意識が高い人は、常に自分のしたことを反省したり、自分を理解しようとしたりしているもの。

さらに、周囲にどう思われているのかも気になる。周りの評価が気になるということで、女性が髪型やファッションに気をつかうのも、他者評価を気にしているからだとか。

そしてそれも、「女性はファッションにこだわる男が好きに違いない」という思い込みが発端になっているのだそうです。

こうした認知バイアスが思い込みを生み出し、増強させていくのだというわけです。偏りを完全になくして世界を見ることは不可能ですが、こうしたバイアスがかかっていることに意識的になるだけでも、冷静になれるものだといいます。

(文/印南敦史)

 

【参考】

※鈴木敏昭(2015)『人生の99%は思い込み―――支配された人生から脱却するための心理学』ダイヤモンド社

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