1,000円以下から数万円まで、ワインの価格は千差万別。けれど、ソムリエ並みの知識なんて持っている人の方が少ないわけです。つまり普通の人には、どの価格帯のものがいいのかなんて、わからなくて当然だということ。
だからこそ、「ワインは飲みたいけど、選び方がわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこでご紹介したいのが、『男と女のワイン術』(伊藤博之、柴田さなえ著、日本経済新聞出版社)。銀座の人気店『わいん厨房たるたる』のオーナーソムリエが、家飲みワインのお勧め品から、ラベル買いで失敗しないヒントまでを明かした一冊です。
そのなかから、スーパーやコンビニでワインを選ぶ際のポイントを抜き出してみましょう。
■約10万種のワインを試飲
著者はこれまでに、約10万種のワインを試飲してきたのだそうです。しかも試飲したものは10点を満点とし、「価格対品質」に見合ったものと、傑出した品質の銘柄のみに点数をつけているのだといいます。
その結果、興味深いデータが見えてきたのだとか。それは、ワインのクオリティ(味わい)にもっとも差が出るのは、1,000~3,000円という価格帯のものだということ。
■3,000円ならハズレなし!
また、店を訪れるお客さんに聞いてみると、平日に飲むデイリーワインの相場は1,000円前後で、週末に飲む“ご褒美ワイン”が1,500~2,000円前後だったといいます。
また、軽い手みやげには3,000円、お祝いなどの贈答用には5,000円といったところなようです。
そして著者の調査でも、たしかに3,000円前後の価格帯には、特徴があって多くの人がおいしいと感じるワインが多いのだといいます。好みは別としても、極端なハズレがなくなるということ。
■コンビニのおすすめワイン
でも、スーパーやコンビニにたくさんのワインが並んでいても、どうやって選んだらいいのかはわからないもの。そんなときにおすすめなのが、次のとおり。
まず白ワインは、若いヴィンテージのものが狙い目。ワインのラベルには、必ず“2014”などの西暦が書かれていますが、これをヴィンテージと呼ぶのだそうです。そして、年号がいちばん最近のものがいいのだとか。
次に赤ワインは、フランス・ボルドー産のものを。ラベルに“Bordeaux”と書かれているので、すぐわかるはず。
■コンビニでは買えないワイン
ただ、スーパーやコンビニでは買えないワインもあるようです。いい例が、きりっと辛口の白ワイン。さらには酸味のしっかりした辛口白ワインも、1,000円前後で買うことはほぼ不可能だそうです。
そして、味わいが濃く、渋味のしっかりした赤ワインも1,000円前後では買えないとか。でも、果実味がしっかりとした濃い味わいのワインなら大丈夫。極論をいえば、1,000円前後の赤ワインはほとんどが飲みやすい味わいだといいます。
事実、スーパーやコンビニで買ったワインが、いまいち辛口ではない、もっと渋味がほしいと思った方も多いのではないでしょうか?
きょうは土曜日。もしかしたら本書は、「この週末にワインを楽しみたい」という方の手助けをしてくれるかもしれません。
(文/印南敦史)
【参考】
※伊藤博之・柴田さなえ(2015)『男と女のワイン術』日本経済新聞出版社