星の数は2億1900万個?美しい「天の川銀河」が残す多くの謎

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2015.07.07

suzie.20150707

きょうは七夕。ということで、『あっと驚く科学の数字 最新宇宙論から生命の不思議まで』(数から科学を読む研究会著、講談社)から天の川に関するエピソードをご紹介したいと思います。

意外に古い“天の川”の起源とは

天を流れる川に見立てられてきた天の川ですが、そのかたちが科学的に説明されたのは、なんと18世紀後半のことだといいます。

全天683の領域の星の数を観測し、星の空間分布を導き出したのは、天王星の発見者として知られるウィリアム・ハーシェル。

その結果として得られたのが有名な「ハーシェルの宇宙モデル」で、扁平な凸レンズのなかの地球から見ると、レンズの縁の方向へ無数の星が重なって地球を取り巻き、川のように見えたというわけです。

このハーシェルの宇宙モデルが、「天の川銀河」モデル。

ちなみに星は宇宙空間で群れをつくっており、その集団を「銀河」と呼びます。それらと区別するため、天の川銀河は特に「銀河系」と呼ばれているのだそうです。

ただ、当時はまだ星の距離を測る方法が確立されていなかったため、ハーシェルは宇宙モデルの大きさを正確に決めることはできませんでした。

遠方の星の距離を測れるようになったのは20世紀以降で、今日では天の川銀河の直径は約10万光年と計算されているとか。

正確な数を導き出しにくい理由

ちなみに天の川銀河の質量(太陽系軌道より内側)は、太陽の質量の1000億倍。この質量をもとにして概算された天の川銀河の星の数は、約1000億個。

ただしこれは太陽の質量を天の川銀河の平均的な星、つまり自らのエネルギーで輝く恒星の典型的な質量と仮定して得られたもので、正確な値は不明。

観測技術が進歩した現代でも、天の川銀河の星の総数を数えることができないからなのだそうです。

そのうえ、天の川銀河の総質量には、光では見えない未知の物質(ダークマター)の質量も含まれているため、なおさら正確な数を導き出すのは困難。

そのぶんだけ星の数が少なくなるかもしれないし、太陽より質量の小さな星が多ければ、星の数はもっと増えることになるわけです。

天の川銀河の星の驚くべき総数

では、実際に観測されている天の川銀河の星の数はどのくらいあるのでしょうか?

大西洋・カナリア諸島にあるラ・パルマ天文台の口径2.5メートルにおよぶ「アイザック・ニュートン望遠鏡」で10年をかけて観測したところ、天の川銀河には20等級より明るい恒星2億1900万個が記録されたのだそうです。

とはいえ、それが最終的な答えだというわけではないようです。渦状腕を持つ渦巻銀河に分類されている天の川銀河の、正確なかたちはまだわかっていないから。つまりその姿を、天の川銀河の外から見ることができないのです。

全体像を知るためには、銀河内の多くの星の位置、距離、運動を測定し、天の川銀河の地図をつくる必要があるのだといいます。

美しく神秘的なイメージのある天の川ですが、実は多くの謎に包まれているのですね。

(文/印南敦史)

 

【参考】

数から科学を読む研究会(2015)『あっと驚く科学の数字 最新宇宙論から生命の不思議まで』講談社

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