『本当に頭がよくなる1分間アイデア法』(石井貴士著、SBクリエイティブ)は、文章術や雑談法など、多くの「1分間」シリーズを送り出してきた著者による新刊。
タイトルにあるとおり、今回はアイデアを出すための発想法に焦点を当てています。
そして、やはりポイントは「1分間」。
でも、「1分間アイデア法」って、どのようなものなのでしょうか?
■ひらめいたことをその場で紙に
著者によれば、その方法はいたってシンプル。
「ひらめきを紙に書き留める習慣をつける」
たったこれだけのことなのだそうです。そうすることによって、「エジソンやダ・ヴィンチと同じ行動をとることができます」と著者は記しています。
ちょっと大げさな気もしますが、実際のところエジソンはメモ魔で、とにかくひらめいたことをなんでもその場でメモに書いていたといいます。
同じくダ・ヴィンチも常にノートを持ち歩き、生涯で1万6,000冊ものノートを残したのだとか。
だとすれば、少なくともそこにはなんらかの根拠はありそうです。
■意外にシンプルな「天才の習慣」
つまり天才の習慣とは、ひらめいたことをその場で紙に書き留めること。著者はそう断言しています。
ひらめきを紙に書きとめなければ忘れてしまうのは、天才も同じ。逆にいえば、天才とはひらめきを紙に書き留めた人のことだという考え方です。
だとすれば、ひらめきを書き留めない限り、天才になることはできないということになります。
■紙に書き留めるまでの時間は?
では具体的に、思いついてからどのくらいのタイミングで紙に書き留めればいいのでしょうか?
もうおわかりかと思いますが、正解は「1分以内」。
紙とペンを出す時間も含め、ひらめいたら1分以内に書き留める習慣をつけることが大切だというわけです。
■シンプルな習慣のメリットとは
とはいえ、あまりにシンプルすぎます。そんなことに、どのようなメリットがあるというのでしょうか?
そのことを、著者はこう説明しています。
「『ひらめいたらすぐに書き留めよう』よりも、『ひらめいたら1分以内に書き留めよう』と思っていた方が、具体的であるぶん行動に写しやすくなる」
たしかに「すぐに」だと、1秒なのか10秒なのかはわかりません。
でも「ひらめいたら1分以内」と決めておけば、59秒の余裕が生まれることになります。
たとえば手元にペンがなかったとしても、59秒以内に探せばいいと思えば、心に余裕を持つことができるということ。
■メソッドをわかりやすく具体的に
いってみれば本書では、「ひらめき」原点を軸として、さまざまなアイデア法を紹介しているわけです。
ただ書き留めればいいというだけのようですが、各章では、
・ひらめきは「質」ではなく「量」で決まる
・アイデアが、さらなるひらめきを生む
・ひらめきを生むには「フック」を増やす
など、シンプルな「ひらめき」を大きなアイデアにしていくためのメソッドが、具体的に紹介されています。
しかも非常にわかりやすいので、アイデアを出すことで悩んでいる人にとって大きな力になってくれると思います。
(文/印南敦史)
【参考】