年間1620億ドルも無駄に!想像以上にひどい「食品廃棄」事情

  • LINEで送る
2015.07.12

shutterstock_53421544

いま日本では、多くの食べものが廃棄されています。

しかし食べものの無駄という点において、すさまじい状況にあるのはアメリカです。大量の期限切れの商品が仕分けされ、廃棄所に向かっているのです!

北アメリカ・オセアニアで排出される廃棄物の量は、アジア・先進工業地域の約2倍もあります。

共通していえるのは、実は私たち自身が考えているよりもより多くの食べものが廃棄され、浪費されているということ。今回は『International Business Times』の記事を参考に、食品廃棄物についてまとめました。

■年間1620億ドルも食べものが捨てられている

ジョーンズ・ホプキンズ大学の研究によれば、年間で出る食品廃棄物には1620億ドルもの価値があるそうです。日本円だと、約20兆円規模になります。

環境影響もはなはだしい話ですが、私たちはこの問題から目を背けてはいないでしょうか。

科学雑誌『PLOS ONE』によれば、廃棄されるもののなかでいちばん多いのは、果物と野菜。大量に生産されるため、どうしても供給過多になり、廃棄につながっているのです。

研究によれば、アメリカで供給されている食物のうち30~40%は廃棄物になっているそう。家庭、飲食店を問わず食品廃棄物は排出されているということです。

■日本は世界の食糧援助量の2倍も食品ロスが!

この問題について、食べものについて研究しているロニ・ネフは、「アメリカ人は自分たちがそれほど食べものを無駄にしているとは認識していないが、実際は相当な量を浪費している」といいます。

プレスリリースでも、現在の消費者の食べものの選び方は、「企業にも起因しているが、複雑化しているため生産的な関係ではない」と発言しました。

日本の食品ロス(年間約500~800万トン)も、世界全体の食料援助量の約2倍あります。

これは日本がODA援助しているナミビア、リベリア、コンゴ民主共和国3カ国分の食料の国内消費量に相当しますから、かなりの量といえるでしょう。

しかし、アメリカはこれ以上なのです。

■調査でわかった“消費者の認識と現実の違い”

また、2014年4月に1,010人のアメリカ人を対象として行なった調査によると、「食品廃棄物の問題は重要で、普段から意識している」という人はわずか10%でした。

さらに、41%の人々は、無駄になった食物の量のことを気にしていませんでした。

全体としては、回答者の75パーセントが「実際の浪費量よりも少ない量しか食物を浪費していない」と誤解していることがわかったのです。

調査によると、消費者には「より新鮮な食物、鮮度の良い食物を選びたい」という考え方や希望があるため、果物と野菜は捨てられているということが明らかに。

私たちは、最終的に食品廃棄物となる食べものに、約30%の肥料、約35%の水、約31%の土地が使われているという現実を忘れるべきではありません。

■国も企業も消費者も真剣に取り組むべき課題

ただ、食べものの浪費を減らし、改善するために働きかけている企業もあります。

より正確な食品成分表示や、包装の見なおしは、環境改善につながります。そのため、国の政策担当者も法律によって食品業界をサポートするべきです。

消費者の多様化するニーズを汲み取ることも、食品廃棄物を減らすことにつながるでしょう。

前出のロニ・ネフは、「アメリカの食品廃棄物問題は、5つの脅威に関連しています。この問題が改善すれば、食糧安全保障、栄養、予算、環境と公衆衛生の問題の改善も見込めるかもしれません」と主張しています。

私たちは、「食品廃棄物は思った以上に多いのだ」ということをまず認識するべきなのです。

賞味期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないことを理解して、見た目やにおいなどの五感で個別に食べられるかどうか判断しましょう。

献立の工夫をして、家庭から出す生ゴミを減らすことも大事です。食品ロス削減に取り組む食品事業者があれば、その商品を選んでみるのもいいでしょう。

(文/和洲太郎)

 

【参考】

Americans Waste Food Worth $162B Every Year: Report-International Business Times

食品ロス削減に向けて-農林水産省

関連記事