なんと週48時間以上は働けない国も!世界のビックリ残業代事情

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2015.07.16

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長時間労働に慣れている私たち日本人にとって、残業はほとんど当たり前のもの。

でも一方で、安倍政権は新たな成長戦略として“残業代ゼロ法案”を出し、すでに閣議決定されています。

「施行されると、経営者が有利になるのではないか」「サービス残業までが合法化されるのではないか」などと問題視する人も少なくありません。

では、他の国ではどうなのでしょう。国によって、長時間残業する国もあれば、あまり残業しない国もありそうですよね。

そこで今回は、他国の残業事情は日本とくらべてどうなっているのか、イギリスの新聞『The Guardian』を中心に調べてみました。

1:日本では残業の上限が月45時間までと決まっている

労働基準法では、週40時間を超える労働は、労使協定があれば残業と認められます。

その場合の残業代は、一般的には1時間につき、通常の労働時間の時給×1.25倍。ただし残業は、月45時間までと決められています。

また、会社によっても規定は違いますし、管理職になると、残業が認められないケースもあります。それに来年「残業代ゼロ法案」が実施されると、日本人の働き方は相当変わるでしょう。残業代が出ないのですから、早々に帰宅する人が増えるかもしれません。

これに対して、まったく逆の流れになってきている国がアメリカです。

■2:アメリカでは残業代をもらえる層が限られている

アメリカのオバマ政権は、残業代を受けられる人の数を500万人増やすと発表して、産業界の猛反発を買っています。

実はアメリカでは、残業代をもらえるのは週給455ドル(約5万5千円)以下の低所得層だけで、それ以上の収入がある管理職や専門職の人たちは、残業しても賃金はもらえません。

しかし、そういう人たちのなかにも貧困レベルにある世帯があると指摘されているため、いま政府は、週給970ドル(約11万8千円)以下の人たちまで残業代が支払われるように要求しているのです。

ですからアメリカでは現在、週給455ドル以下の労働者のみが、週40時間以上働いたときに残業手当を受けられます。残業代は1時間につき、勤務時間の時給×1.5倍で、何時間でも残業していいことになっています。

つまり日本とは逆の発想になっているわけで、私たち日本人としては、アメリカの今後の成り行きが気になるところです。

■3:中国では週40時間以上の労働は残業と認められる

では、中国ではどうでしょう?

中国では1日8時間以上、もしくは週40時間以上の労働は残業と認められ、1時間につき通常の勤務の時給×1.5倍の残業代が支給されます。

ただし残業は月36時間、週9時間までと決められていますし、管理職でも上位の人は残業が認められていません。

中国が他の国と違うところは、週末の残業代が1時間につき、通常の労働の時給×2倍、もしくは、その週のうちに1日休暇が取れることです。祝日に働いたら、普段の3倍の時給になるというのですから驚きですね。休日の残業に関しては、中国は他のどの国より、かなり待遇がいいといえます。

■4:イギリスでは週48時間以上の労働が禁止されている

さあ、次は別の意味で驚きの国、イギリスです。というのも、「残業ってなに?」という声が聞こえてきそうなほど、イギリスには残業がないのです。

そしてよく働いた人には、残業代ではなく追加の休暇が与えられるのだそうです。また、週48時間以上働いてはいけないことになっています。

■5:フランスでも週48時間以上の労働が禁止されている

フランスでは週35時間以上の労働になると、残業代が出ます。残業代は、8時間までなら1時間につき通常の時給の1.25倍となり、8時間を過ぎると、1.5倍になります。

ただし、フランスだけが1日10時間しか働いてはいけないことになっているのです。団体協約があれば12時間まで働けますが、基本的には週48時間以上働けません。

さすがに、バカンスを長期に取ることで有名な国ですね。労働時間そのものが、他の国より短いといえるでしょう。

■6:カナダでは州によって残業制度が異なっている

カナダでは、州によって残業制度は違います。労働時間も週40時間まで認められているところと、週44時間のところがあります。

プリンス・エドワード島では、週48時間以上働いたら、残業と認められます。ある地域では、残業代は1時間で通常勤務の時給×1.5倍ですが、ある地域では、残業代は定額で決まっていて、時給12.38ドルと決まっています。

どうでしょう? 6ヶ国を比較してみると、想像通りの国もあれば、思いもよらない残業規定の国もありました。どの国もそれぞれによい点、悪い点があったのではないでしょうか? どの国の働き方が理想的だと感じましたか?

(文/和洲太郎)

 

【参考】

Working overtime hours across the world: how does the US compare?-The Guardian

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