1億円近いケースも!実は高額な「自転車事故の賠償金」最新事情

  • LINEで送る
2015.07.18

shutterstock_137781434

守っていますか? 自転車の交通ルール。

車と同様に、自転車の右側通行や酒気帯び運転はNGです。意外に思うかもしれませんが、歩道を走行中にベルを鳴らすのも禁止されています。

警察庁の発表によると、昨年(2014年)発生した交通事故は57万3,842件で、うち自転車事故はなんと10万6,427件もあるのです。

交通事故全体の2割弱が自転車事故なのですから驚きですよね。

しかも近年は、自転車事故での損害賠償金も高額になってきています。

具体的にどんな事故でどれくらい支払うことになったのか? 実際に起こった、高額賠償金の例を紹介しましょう(日本損害保険協会など調べ)。

■自転車事故の賠償金が1億を超える日も近い

(1)賠償金9,521万円・・・小学生男児が夕方、下り坂を走行中に、歩いていた女性と衝突。女性は意識が戻らない状態に。

(2)賠償金6,779万円・・・片手にペットボトルを持って下り坂を走行していた男性が、交差点の横断歩道を横断していた女性と衝突し、女性は3日後に死亡。

(3)賠償金5,438万円・・・信号無視してスピードを出して交差点に進入した男性が、横断歩道を横断中の女性と衝突し、女性は11日後に死亡。

上記(1)のように加害者が児童であった場合、安全指導の不足を指摘された親に賠償が命じられています。

手軽で便利な自転車は、身近な乗り物。そのせいか、自動車やオートバイと違い、保険の加入も原則任意です。

被害者になることはもちろん不幸ですが、加害者になることもあり得ます。そのとき、もし高額な賠償金を命じられたら……?

そんな不安を感じる人も増えているようで、最近は自転車保険の契約数も増加傾向。コンビニやスマホなどで手軽に契約できる保険も登場しています。

■3年以内に2回以上摘発で安全講習の義務化

自転車事故の件数は、この10年間を見ても交通事故全体の2割前後と横ばい傾向。自転車の悪質運転が目立つため、今年の6月から改正道路交通法が施行されました。

「信号無視」「遮断踏切立入り」「一時不停止」など、14項目の危険行為を3年以内に2回以上摘発されると、安全講習が義務付けられるというもの。

講習時間は3時間で、講習手数料は5,700円。受講命令に従わなければ、5万円以下の罰金が科せられます。

6月1日に始まった新制度ですが、この1ヶ月間に警察が「危険行為」として摘発し、名前を登録したのは、全国で549件(6月30日時点)でした。

このうち最も多かった危険行為が、「信号無視」で231件。次が「遮断機を無視した踏切への立入り」で195件。この2つだけで約78%を占めています。

少数ですが、ブレーキ不良も16件摘発されています。都道府県別では、東京(189件)、大阪(121件)、愛知(51件)がワースト3となっています。

とはいえ、違反行為を見つけた警察が、いきなり摘発することは恐らくありません。最初は指導、警告をします。そうした指導を無視するなど、悪質な場合に危険行為として摘発するので、まずは自転車のルールを知り、安全運転を心がけましょう。

■無意識のうちにルールを破っていませんか?

自転車は身近な乗り物だけに、ついついNG行為をやってしまいがち。しかしそれが、重大な事故につながることも。以下に、ありがちなNG行為を紹介しましょう。

(1)おしゃべりしながら無意識のうちに並列運転 ⇒ NG

「並進可」の標識がない限り、自転車は横に並んで走行してはいけません。違反すると、2万円以下の罰金または科料

(2)イヤホン着用や携帯電話などの“ながら運転” ⇒ NG

イヤホンやヘッドホン着用の運転は周囲の音が聞こえにくく、注意力が散漫に。また、片手で携帯電話などをもちながら運転することも自動車同様、禁止されています。違反すると、イヤホン着用は5万円以下の罰金(東京都の場合)、片手運転は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金

(3)自転車で車道の右側を通行する ⇒ NG

自転車は軽車両になるので原則、車道を走行します。

そのとき、右側を通行すると、対面する自転車や自動車にとって大変危険です。違反すると、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金になります。

便利だし、エコだし、健康にもいい自転車ですが、手軽な乗り物だけに、危険という認識が欠落しているかもしれませんね。

歩行者とぶつかったり、自動車に巻き込まれたりしないためにも、安全な乗り方を身につけ、楽しく自転車に乗りましょう。

(文/山本裕美)

 

【参考】

自転車事故と保険-日本損害保険協会

関連記事