正の字には意外なルーツと意味が!昔と今の「ものの数え方」比較

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2015.07.18

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数をチェックするとき、“正”の字を使うことがありますよね。選挙の開票などでも、16個なら「正・正・正・一」といった具合に使用しているはずです。

それでは、私たちの先祖はどうやってモノを数えていたのでしょうか? 数え方の歴史をひもといてみましょう。

■むかしは正ではなく“玉”で数えていた!

コミックエッセイ『もぐらと奈加ちゃんが日本人のヘンな習慣について考えてみた。』(もぐら著、KADOKAWA/中経出版)によると、むかしは違う漢字を使ってモノを数えていたそうです。

その漢字とは「玉」。ひとつは一、ふたつは二、3つは三、4つは王、そして5つは玉、というふうに数えたということ。たとえば13は、「玉・玉・三」になるわけです。

この文字が使われたのは、珠算(じゅさん:ソロバンの事の“珠(たま)”)に由来するという説があります。

使われなくなった理由のひとつは、ごまかす人が絶えなかったからだとか。

むかしは数量をチェックするために、和紙に筆などで「玉」を書いていました。

しかし、数を増やすために最後の点、つまり5番目にあたる「、」をわざと墨を紙などに落としてつくり、本来なら「王(4つ)」となるところを「玉(5つ)」にする人が絶えませんでした。

王と玉は似ていますから、点をつけることなど簡単だったのでしょう。それに王と玉は「、」しか違いがないので、紙の汚れなどと間違いやすいですよね。

その点、正の字は誤魔化しにくく全部がハッキリした線なので、「あっ、墨を落としちゃった」とごまかすことはできません。ですから、こちらの方が不正されにくいですよね。

それに中国や韓国では“正”の字を使っていたので、それにならって正の字にとって変わられたわけです。人はいつの時代でも、不正や間違い、対抗策とのイタチごっこを繰り返しているのかもしれません。

■海外では自分の指や縦線を使って数える

それでは、日本以外の国ではどんな数え方をしているのでしょう。調べてみたところ、大きく分けて2つありました。

それは(1)指を使って数える(手のひらの指を折っていく)、そして(2)記号。

(1)は、私たちにも馴染みのある、指を折って数を数える方法です。どちらの手を使うか。また、小指からか、親指から使うかは人それぞれです。

ただし、地域によっては「左手から数えて(1~5)、それでも足りない時は右手も使う(6~10)」など順番が決まっている場合もあります。

(2)の記号、海外で多いのは縦線がひとつずつ増えていくタイプです。

ひとつは|、ふたつは||、3つは||| 4つは||||という感じです。最後の5は4つの線の上から、全体を消すような斜め線を入れます。

日本と海外の数え方、どちらも10進法でなく5進法というところがおもしろいですね。

今回の話をまとめると、(1)昔の日本では正ではなく玉を使っていた、(2)不正をする人などがいたから玉は使われなくなり正の字になった、(3)中国や韓国でも正の字を使っている、(4)海外では指を折る方法と縦線の記号が多い、ということ。

私たちは人生のいろんな場面において、数えることを行っています。毎日のように行う作業だからこそ大事にしたいものですね。

(文/シール坊)

 

【参考】

もぐら(2014)『もぐらと奈加ちゃんが「日本人のヘンな習慣」について考えてみた。』KADOKAWA/中経出版

「正」の字以外6種類もある海外版数え方-日刊ニュージーライフ

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