才能は1個じゃない!アドラー的「仕事で成功する人」の特徴2つ

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2015.07.19

ikigai 

「成功するためには、家族や周囲の人々を犠牲にしてでも仕事をしないといけない」、そう考えている人は意外に多いのではないでしょうか?

ところが、『人と比べない生き方』(和田秀樹著、SBクリエイティブ)によると、この考え方はどうやら違うようなのです。今回は、この考え方について書かれた終章の一部をご紹介いたします。

■仕事で成功する人にはふたつの特徴がある

アドラーという心理学者をご存じですか? フロイト、ユングと並ぶ心理学者のひとりです。

彼は、「共同体感覚が高く、優越性を追求する意識も高い人が社会的に有用な人である」と考えました。

要するに、成功する人は(1)まわりに優しく共同体を大事にするだけでなく、(2)他人という存在を意識したうえで相手に対して優越性を持とうとする、つまり「勝ちたい」という意欲を持っている、ということです。

■多くの日本人は「才能はひとつ」と考えがち

ところが、日本の場合はトレードオフ的な考え方をしてしまう傾向が強いのです。

トレードオフとは「ふたつのうちひとつを得ようとするともうひとつが手に入らない、同時にふたつは成り立たない」といった考え方です。

たとえば、日本人特有のものかどうかわかりませんが、「勉強ができる人は性格が悪い」、「美人は性格が冷たい」、「スポーツが得意な人は勉強ができない」といったイメージが一般に広く伝わっているのはその実例といえるでしょう。

古くから「天は二物を与えず」ということわざがあります。才能や長所はなにかひとつだけしか持てない、と考えがちです。

しかし現実には、勉強ができようが、美人であろうが、スポーツが得意であろうが、他の人より優れた面を持っていることが優越感につながるので、そういう人のほうが自己愛が満たされているぶん、性格がいいことが多いのです。

アメリカの場合、“ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)”という考え方があります。

これはフランスの言葉ですが、簡単にいうと、「社会的に地位の高い人は、それにふさわしい義務を負ってしかるべきである」という意味です。

事実、アメリカの成功者は高額の寄付を頻繁にするような共同体感覚の高い人が多く、社会的な成功と高貴な人格の両立を目指しているということになります。

中国でも、いわゆる徳が高い人の条件は、社会的に成功していて、しかも他人にやさしい人であるという一般認識があります。

■ただ「仕事ができる」だけじゃ成功しない!

一方がよければ片方が悪い、一方を得ると片方を得られないといったトレードオフ的な捉え方はナンセンスであって、現実には“共同体感覚と優越性を追求する意識”の2つを持つことも、それを実現して社会的に有用な人になることも可能だということになります。

日本では社会的に成功することを考えた場合、仕事の能力に磨きをかけることばかり考えてしまいがちですが、人間関係を築く能力を磨くことも忘れるべきではありません。

社員研修などで「社会人はテクニカルスキルとヒューマンスキルの両方を磨け」という話を聞いたことがありませんか? つまり、「仕事ができる」だけではダメということです。

本書には、「劣等感を力に変える処方箋」というサブタイトルがついています。ページのどこかにあなたの心におだやかに作用する文があるかもしれません。

(文/猫野うた)

 

【参考】

和田秀樹(2015)『人と比べない生き方』SBクリエイティブ

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