女性に年収2000万円の仕事の広告は出ない!広告表示の男女差

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2015.07.20

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インターネットを見ていると、自分が今まで見たサイトなどから、興味のありそうな広告が表示されるのはみなさんご存じですよね。

ダイエットに関するサイトを検索していたら、ダイエット用品の広告が表示されたり、転職サイトを見ていたら仕事を紹介する広告が表示されたり。

便利だったり余計なお世話だったりするこの機能ですが、イギリスの新聞『The Guardian』で紹介されたある調査によって、恐るべき事実が報告されたのです。

■女性には高収入の仕事の広告が表示されない!

アメリカのカーネギーメロン大学で行われた調査によると、Googleでは女性の求職者に高収入の仕事の広告が表示されないことがわかりました。

この調査では『AdFisher』というソフトを使い、架空の男女の求職者17,370人のプロフィールを作成しました。この架空の男女は求職サイトのみにアクセスしたことになっています。Googleはこの架空の男女に合計60万もの広告を表示しました。

調査チームが分析すると、明らかに男性のほうが高収入の仕事の広告が表示される回数が多かったという結果が出ました。

収入20万ドル(2,482万円)以上の仕事の広告は男性には1,852回表示されたのに対し、女性には318回しか表示されなかったのです。

Googleの広告表示システムは複雑で、ちょっとしたことで影響が出てしまうため、架空の男女のアクセス履歴は全く同じになっており、違いは男女の性差だけにされていました。

■広告表示システムは選り好みをしすぎている

この結果は必ずしもGoogleの広告表示システムのみによるものではなく、広告を表示する企業の側の希望も含まれています。

Googleの代表者は「広告を出す企業から、どんな人に対して広告を表示するかの希望を聞いています」と語っています。「ユーザーがどんなものに興味があり、どの人にどの広告を出すかは社内でルールが決まっています」。

こうした仕組みはユーザーにぴったりの広告を表示するのに役立てられるわけですが、悪影響を及ぼすこともあります。

実際に、高収入の仕事の広告は女性にはほとんど表示されず、男性にのみ表示されました。たとえそれが企業の意向であったとしても、この広告表示システムによって、女性は高収入の仕事につけない可能性があるのです。

こうしたプロフィールや閲覧履歴を利用して広告を表示するシステムには問題があるのではないかと調査の中では指摘されています。

■表示された広告=自分の興味・関心じゃない

Googleアカウントでは、プロフィールのカスタマイズができます。ここで自分が興味のあることの入力や、一度表示された広告で興味のないものを再表示しないようにすることができます。この機能を活用すれば、状況を改善することができます。

しかし、これですべての問題が解決するわけではありません。

カスタマイズの興味の項目にはもちろん、薬物乱用などという項目はありません。しかし、薬物乱用に関するサイトを閲覧した結果、リハビリテーション施設の広告が表示されるようになったのです。

サイトを閲覧する前と後ではプロフィールに一切違いは現れませんでした。複雑なシステムにより、思わぬ広告が表示されることはなかなか防げません。

閲覧履歴から自分の興味が分析され、広告が表示される。こうした一見便利なシステムも、いろいろと問題がありそうです。主体的に検索をすることの大切さは、まだまだ揺らぐことはなさそうです。

(文/和州太郎)

 

【参考】

Women less likely to be shown ads for high-paid jobs on Google, study shows―the guardian

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