『ビジネスマンのための「発想力」養成講座』(小宮一慶著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、人気の経営コンサルタントである著者による「養成講座」シリーズの10冊目。
これまでにも「数字力」「発見力」「解決力」などに焦点を当てて独自のアプローチを展開してきましたが、今回は「発想力」をテーマに掲げているわけです。
きょうはそこから、第4章「『発想力』養成のための11の習慣」をご紹介します。
■1:いろんなところに行く・見る・経験する
さまざまな情報収集も大切だけれど、実際の経験にはかなわないもの。本当に見て聞いたものの情報量、刺激の大きさが重要な意味を持つということです。
それらの経験がすぐに発想を生み出すとは限らないとはいえ、脳の引き出しから、必要なときにいろいろな発想が生まれるようになるとか。
■2:先に学んで深く見る
いろいろなところへ行ったり見たりする際、事前に調べておくと、いっそう見方が深まるという考え方。
関心の度合いが異なってくれば、インプットの量も強さも変わってくるわけです。
■3:多くの人に会う
人と会うことは最大の刺激。相手が「発想力」の高い人なら、その人の発想に感嘆し、さまざまなことを学べるということ。
■4:新聞、本を読む・テレビを観る・ネットを見る
いろいろなメディアを毛嫌いせずに読んだり見たりすることは、関心の幅を広げる習慣。インプットの質を高めてくれるといいます。
しかも、「見る気はなかったし、存在も知らなかったけれど偶然見た番組やサイト」の方が、いつも見ているものよりも刺激的で、新しい発想につながるもの。
■5:経験に投資する
インプットするためには、ある程度の投資も必要。
若い人ほど、本を買ったり新聞を読んだり、人と会うなど経験にお金を使うべき。
経験は発想を生み、そこからかたちあるものをアウトプットしていけば、何十倍にもなって跳ね返ってくるというわけです。
■6:知らない道を行ってみる
知っている道と知らない道があったら、まず、知らない道の方を行く。これも、「発想力」の高い人に共通する行動様式のひとつ。それは、チャレンジするということ。
■7:迷ったらやる
これも「発想力」の豊かな人に共通する習慣ですが、その前提として、ふだんから体を動かす習慣があることも重要。ジムやランニングだけではなく、日常生活のなかでのフットワークの軽さも無視できないといいます。
■8:いろいろな場に慣れる
緊張していると、いい発想は生まれにくいもの。逆に、常にリラックスしていられるなら、発想が生まれる場も広がるので、いろいろな場に慣れておくことも不可欠。
■9:すぐに書き留める
どんな場所でも、思いついたらすぐに書き留める。この習慣はとても大事。そのためには、いつもメモとペンを身近に置いておくこと。
■10:いつも体調を整えている
特に「発想力」については、体調管理も重要。体も精神状態もよくしておけば、それはベストな発想を引き出す前庭条件になるといいます。
■11:素直で謙虚
素直になるためには反省が必要。自分が素直でいるかどうかを反省することで、素直な自分に近づいていける。よい習慣を持つことが、成功への大きなポイント。
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どれも当たり前のことですが、つい忘れてしまいがちでもあります。だからこそ、習慣化できれば発想力にいい影響を与えてくれそうです。
(文/印南敦史)
【参考】
※小宮一慶(2015)『ビジネスマンのための「発想力」養成講座』ディスカヴァー・トゥエンティワン