『美しい食べものが 美しい人をつくる ~ローフードで体の中からキレイになる~』(高野志保著、あさ出版)は、いま女性を中心に話題を呼んでいる「ローフード」の効能をわかりやすく解説した書籍。
著者は一般社団法人BullianStyleローフード協会代表理事であり、つまりはローフードの第一人者です。
でも、ローフードってどんなものなのでしょうか? 聞くに聞けないという方もいらっしゃるでしょうから、まずは基本をチェックしてみましょう。
■ローフード=「生の食べもの」
ローフードの「ロー」は「raw(生の)」ですから、ローフード(raw food)とは、「生の食べもの」という意味。
たとえば生野菜サラダをメインディッシュのように大皿で食べたり、デザートとして捉えがちなくだものも、食事の一品としていただく。
そんな、「生の食べものをベースとした、健康的な食習慣」のことを指すわけです。
そして、その「生」の部分にこそ、健康の秘密が隠されているのだといいます。
■体の仕組みはとてもシンプル
当たり前ですが、いきいきとしたものを食べれば、それはそのまま「いきいきしたエネルギー」に変わります。
もちろん、フレッシュな野菜やくだものは「いきいきした状態」そのもの。
逆に熱を加えると、素材からどんどん元気が失われてしまう。
だから、いきいきしたエネルギーがほしいのであれば、生でそのまま食べればいいという考え方なのです。
■すぐ食習慣を変える必要なし
ローフードの魅力のひとつは、低カロリーで高栄養だということ。だから好きなだけ食べてもカロリー過多にはならず、それでいて必要な栄養素をたくさんとることが可能。
さらには、長く続けることによって、エネルギーがしっかり使える体に変わっていくのだそうです。
ただ、だからといって、いきなり食生活のすべてを「なにがなんでもローフードだけ!」と変える必要はないそうです。
なぜなら私たちは、いままで食べてきたものに慣れてしまっているから。
いままで加熱調理したものばかりを食べていた人が、いきなりローフード100%の食事に切り替えたとしたら、体がびっくりしても当然。
ローフードに抵抗がある人は、少しずつ生野菜サラダを食べる量を増やしていくところから始めればOK。加熱食を禁止しなくてもいいそうです。
無理やり義務にしてしまうのではなく、健康食を楽しみ、体調の変化を感じながら続けるのがよいということです。
■たった3日で味覚は変わる!
穀物を主食にしないローフードは、「全部が主食」で、「全部がおかず」の主菜食。
ですから必然的に調味料を使う量が減り、わざわざ「薄味にしよう」とがんばらなくても自然と薄味になっていくといいます。
すると、ますます野菜やくだものの味が感じられる舌になっていくとか。素材そのものを楽しめるので、調味料を減らすほど「おいしい!」と感じるように。
濃い味つけのものばかりを食べていると、味覚が麻痺して鈍感になっていくもの。でも繊細なものを食べるようにすれば、人間が本来持っている繊細な味覚がだんだん戻ってくるというわけです。
だから著者は、ぜひ3日間でいいのでローフードを試してみてくださいと提案しています。
たったそれだけで、変化を実感できるそうですよ。
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巻末のChapter 7には、5分でつくれるローフードのレシピも掲載されているので、利用価値は抜群。ローフードを取り入れた生活の実現のために、きっと役立ってくれる一冊です。
(文/印南敦史)
【参考】
※高野志保(2015)『美しい食べものが 美しい人をつくる ~ローフードで体の中からキレイになる~』あさ出版