つきあい始めのカップルは、親子やシングルよりも「オキシトシン」の濃度が高いという研究結果が発表されました。
オキシトシンの濃度が高ければ、相当の幸せを感じていることになるのだそうです。
『LiveScience』が発表した、オキシトシンについての事実を見ていきましょう。
■オキシトシンは親子の絆をつくる愛情ホルモン
オキシトシンとは、脳から分泌されるホルモンの一種。
新生児と母親の絆にも関係しているといわれ、子どもが生まれたばかりの両親にも高いオキシトシン濃度が検出されます。
しかし、それでもつきあい始めのカップルほど高くはないそう。
いまのところ、いちばん高いオキシトシン濃度が検出されるのはカップルだといわれています。
この研究では、「新しい恋人と関係を築くプロセスは、新生児が母親と関係を築くプロセスに似ているのではないか」と考えられており、そんなところからもオキシトシンがカップルにも重要な役割を果たしていることがわかります。
■カップルのオキシトシンはシングルの2倍
イスラエルのバル=イラン大学では、つきあい始めてから3ヶ月以内の20代のカップル60組を対象に調査を実施しています。
カップルははじめ別々に、自分の考えや心配なこと、2人のこれからの関係についての希望についてインタビューを受けました。
インタビュー後、カップルの血液と別な43人のシングルの人の血液を採取したところ、カップルの血中オキシトシン濃度は、平均してシングルの人のほぼ倍という結果が。
さらに、その後6ヶ月関係が続いたカップルは、オキシトシン濃度に変化がなく、高い数値のままでした。
また、オキシトシン濃度が高いカップルはインタビュー中もボディタッチやアイコンタクトが多く観察されました。こうした動作はオキシトシン濃度をさらに高める効果があるとされています。
研究者は、つきあい始めの時期のオキシトシン濃度はその後の関係を左右するといっています。
ちなみに、カップルもシングルの人も、オキシトシン濃度は性別や喫煙歴、身長、体重などには関係がなかったようです。
しかし、この調査ではつきあう前のそれぞれのオキシトシン濃度を検査していないため、新しい恋がオキシトシン濃度を高めたのか、もともとオキシトシン濃度が高い人がカップルになりやすいのかは定かではないとされています。
また、血中オキシトシン濃度が脳内のオキシトシン濃度と同じかどうかもまだわかっていないということです。
■オキシトシンはボディタッチで増やせる!
かつての研究では、鼻から吸引するオキシトシンがカップルの関係づくりに有効であるといわれていましたが、今回の研究ではこれについて「危機的な状況にあるカップルの関係を改善する要因になりうる」とだけ述べられています。
もし好きな相手にオキシトシンをかがせることができたら、長続きするカップルになれるかも……?
でもボディタッチやアイコンタクトでも、オキシトシン濃度は高まります。関係を長続きさせたい人はがんばってみましょう!
(文/和州太郎)
【参考】
※How Long Will Your Love Last? Check Your Oxytocin―LiveScience