調子が悪いと、つい栄養ドリンクやビタミンウォーターを手に取ってしまいますよね。
でも実は、そうした飲みものには精神面・身体面でいい影響を及ぼす効果は皆無で、むしろお金の無駄になるとの研究結果が発表されました。
イギリスのニュースサイト『Daily Mail Online』が詳細を掲載していましたのでご紹介します。
■1日3食摂れば必要な栄養素は足りている
研究を行ったのは、カナダのトロント大学とライアソン大学の栄養学専門の科学者たちです。
栄養ドリンクなどに入っている栄養素でポピュラーなものは、ビタミンB6やB12、ビタミンC、ナイアシンなど。
でも調査によると、若年層はほとんどの場合、栄養ドリンクに頼らなくてもこれらの栄養素を充分に摂れているというのです(ビタミンCを除く)。
ちなみに、日本の成人女性の推奨1日で摂取量は、それぞれ以下の通り。
・ビタミンB6:1.2mg(鶏のささみ100グラムでちょうど半分の0.6mg)
・ビタミンB12:2.4μg(平成25年の国民健康・栄養調査では、女性で1日に平均5.5μg摂取しています)
・ビタミンC:100mg(柿をむいて1個食べれば、160mgのビタミンCが摂れます)
・ナイアシン:11mgNEまたは12 mgNE(明太子100グラムで19.9mgになります)
1日3食しっかり食べていれば、これらの数字を満たすのはそれほど難しくなさそうです。
■集中力アップや元気が出る効果はない!
栄養ドリンクやビタミンウォーターのなかには、配合された栄養価以外にも、免疫システムをサポートする物質や、抗酸化物質が配合されていることをアピールしているものがあります。
さらに、商品のラベルには、「集中力アップ」や「気分を高める」、「元気が出る」などの「効果」も。
つまり、夜更かしなどで疲れたときなどにこれを飲めば元気になれる、というイメージを、若い消費者に訴えかけているのです。
しかし前述の研究によると、こうした商品が主張する効果は、現在の栄養学の研究ではまだはっきりとわかっていないものも少なくないそうです。
研究者たちは、「効果がない可能性があるのにもかかわらず、あたかも効くかのような誤解をさせる売り方をさせないための対策が必要だ」としています。
ビタミン類は、一般的に摂りすぎても体内に吸収されないとして知られていますが、事実、摂取過剰で体調を壊すケースも報告されているそうです。やはり栄養は、適切な内容と量の食事から摂ることを目指した方がいいのかもしれません。
(文/松丸さとみ)
【参考】